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東京五輪の悪夢から1年――新メンバーで挑む男子400リレーは化学反応を起こせる!? “バトンパス”に不安はない?

生島淳

2022.07.04

東京五輪から大きく顔ぶれを変えた侍メンバー。世界陸上で日本が考えるプランとは?(左上から時計回りに坂井、サニブラウン、栁田、小池)(C)Getty Images

東京五輪から大きく顔ぶれを変えた侍メンバー。世界陸上で日本が考えるプランとは?(左上から時計回りに坂井、サニブラウン、栁田、小池)(C)Getty Images

 東京オリンピックで期待された「4継」、男子400mリレーでのメダル。ところが、悪夢のバトンミスが起き、メダルの夢は一瞬にして消えてしまった――。

 あれから1年が経とうとしているが、日本時間7月16日からはアメリカ・オレゴン州で世界陸上が始まる。この大会でパリ・オリンピックに向けての再スタートが切られるわけだが、日本の男子100mではトップ選手の顔ぶれが変わり、4継のメンバーにも変化があった。

 まず、6月に行なわれた日本選手権の結果をおさらいしてみよう。

1位 サニブラウン・アブデル・ハキーム(Tumbleweed TC)
2位 坂井隆一郎(大阪ガス)
3位 栁田大輝 (東洋大)
4位 小池祐貴 (住友電工)

 このなかで、東京オリンピックのリレーメンバーは小池のみ。故障などのアクシデントがなければ、この4人が世界陸上のリレーメンバーとなる。

 気になるのが走順だが、関係者のコメントを総合すると、次のような順番が予想される。

坂井→サニブラウン→小池→栁田

 4継の場合、直線を走る2走と4走に力のある選手を配置するのが定石であり、日本陸連の土江寛裕ディレクターは、日本選手権で優勝したサニブラウンを中心にオーダーを組むと明言している。

「ハキームは、2走を考えています。3年後のパリ五輪に向け、個人で100m決勝に残れるメンバーを4人揃え、リレーメンバーを組もうというプランです。今回は、パリに向けたシミュレーションをしていこうと考えているところです」

 最大のターゲットはパリ・オリンピックでのメダル獲得。今回の世界陸上から、走順を含め、4人の経験値を高めていくということだ。
 
 また、北京オリンピックの400mリレーの銀メダリストである髙平慎士コーチは、1走の考え方について、こう話す。

「これまで、日本代表は素晴らしいスタートを切れるタイプの選手が1走を務める戦術を採ってきました。その意味で、坂井選手がそのパートを務めることは、可能性としては十分にありますね」

 1998年生まれで24歳の坂井は、関西大学出身。同じ関西の1学年上には多田修平(関西学院大学出身)がいた。そんな影に隠れていたスプリンターが、今年社会人3年目を迎えてブレイクしたのだ。日本選手権で2位に入ったあと、6月26日に行われた布勢スプリントで10秒02の好タイムをマークし、世界陸上の参加標準記録を突破し、上り調子と言っていい。
 
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