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オランダGPでリタイアの角田裕毅、マシンへの違和感を明かす…一方でチームの“奇妙”な指示が思わぬ「陰謀論」の種に!?

THE DIGEST編集部

2022.09.06

オランダGPではリタイアとなった角田。次戦のイタリアGPで巻き返したい。(C) Getty Images

 F1第15戦のオランダ・グランプリは9月4日に決勝が行なわれ、アルファタウリの角田裕毅はマシントラブルによってリタイアを喫した。

 予選のQ1で全体3番手に入り、本人も驚きのQ3進出を果たして9番グリッドを手に入れた角田。ラストアタック中のセルジオ・ペレス(レッドブル)のスピンがなければ、8番手のミック・シューマッハー(ハース)を上回った可能性もあるほど良いペースを見せて、決勝に向けての希望を大きく膨らませていた。

【動画】オランダGP、角田が予選Q1でスーパーラップを叩き出す!
 レースではスタート直後にポジションを2つ落としたものの、ポイント獲得に向けての戦略に従って堅実なドライビングを続けていたが、タイヤをハードに変えた43周目、リアタイヤに違和感を覚えてコースの脇に車を停め、そのままリタイアかと思われたが、間もなく走行を再開してピットイン。ソフトタイヤへの交換、停車時に緩めてしまったシートベルトの締め直しに30秒以上を要してからコースに復帰したものの、チームがディファレンシャルギアの問題を確認したことで、レース続行を断念することとなった。

 連続ノーポイントが9戦に伸びてしまった失意のレースの後、角田はチームの公式サイトを通して「今日はとてもガッカリしています。レースに向けてペースはとても良さそうであり、ポイント圏内でのフィニッシュに期待していました。スタートで少し後ろに下がったものの、徐々に前向きな姿勢に戻りました」と失望を露にした後、以下のようにも振り返っている。

「残念ながら、ハードタイヤに替えた後、車に問題を感じ、そこで何も見つけられなかったチームは再度、タイヤ交換のためにピットインを命じました。それでも、コースに戻るとまだ違和感が拭えず、チームもそれを確認し、リタイアしなければなりませんでした」

「タイヤがしっかりはまってない」との無線交信での連呼によって明らかになったこのマシントラブルについて、角田は「ストレートでドリフトしているような感じで、ストレートでカウンターを当てていました」とコメント。無線で「何かがおかしく、デフか何かが壊れたと思いました」とチームに報告した彼は、「最初はグリップの低いハードタイヤを履いたことでホイールスピンを起こしたのかと思いましたが、すぐに明らかな問題だと感じました」と語った(英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』より)。

 この件について、アルファタウリの車両パフォーマンスのチーフ・エンジニアであるクラウディオ・バレストリは「第2スティントでのミディアムタイヤがうまくいったことで長く走行させた後、(ハードへの交換のために)ピットインさせたが、彼は車のリアに違和感があると知らせてきたため、彼を呼び戻して再度タイヤを換え、直後に車の問題を確認した。問題の詳細については現在、調査中だ」との声明を発している。
 
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「アルファタウリ(角田)のリタイアのタイミングは、レッドブルにとって理想的だった」