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格闘技・プロレス

誰もが振り回された“狂騒曲”。それでもメイウェザーが「誇りに思う」と語った朝倉未来戦は単なる金儲けではなかった【RIZIN】

橋本宗洋

2022.09.27

朝倉のパンチを数発被弾したメイウェザー。だが、ダメージをほとんど感じさせずに試合をやり切ってみせた。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

朝倉のパンチを数発被弾したメイウェザー。だが、ダメージをほとんど感じさせずに試合をやり切ってみせた。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 最後まで“メイウェザー狂騒曲”はフルボリュームだった。

 フロイド・メイウェザー(米国)。ボクシングで世界5階級制覇を成し遂げたレジェンドである。公式プロキャリアは50戦全勝。元ボクシング世界6階級制覇王者のマニー・パッキャオ(フィリピン)も、「天才」と謳われたシェーン・モズリー(米国)も、「稲妻」の異名を誇ったアルツロ・ガッティ(カナダ)も彼に敗れている。

 そんな大スターが日本で闘うのは今回が2度目だった。2018年の大晦日には3分3ラウンドのエキシビションで那須川天心から3度もダウンを奪い、タオル投入によるストップで勝利を収めていた(ただしエキシビションのため、公式記録には残らない)。
 
 今回も同様のエキシビションで、ボクシングルールに準ずるスタンディングバウト。相手は、現在日本で最も有名な格闘家の1人で、YouTuberでもある朝倉未来(トライフォース赤坂)だ。舞台はさいたまスーパーアリーナでの『超RIZIN』。土曜の夜であるアメリカでの放送を見据え、大会も12時スタートとなった。RIZINの世界進出へ向けた足がかりという意味もあり、当然の時間設定ではあった。

 もっとも、メイウェザーが生み出した娯楽性は、大会1週間前からあった。今月18日の夜にプライベートジェットで来日すると、そのままナイトパーティーへ。“闘い”以外の部分から、彼は凄まじい存在感で話題を振りまいた。8月にハワイで実施された記者会見では、なぜか平本蓮を通訳として引き連れると、朝倉をこき下ろしてファンを笑わせた。

 ただ、こうした“パフォーマンス”が行なわれたという事実は、メイウェザーが相当なサービス精神をもって今回のプロモーションに臨んだ表れでもある。約4年前の那須川戦はメイウェザー陣営も、RIZINサイドも手探りだった。しかし、それ以降にRIZINの榊原信行CEOはたびたびメイウェザーの住むラスベガスを訪問。コミュニケーションを重ねた両者には信頼関係が生まれ、結果として列島を沸かせた“狂騒曲”のボリュームも上がった。
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