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マラソン・駅伝

パラ金・道下美里、笑顔の“世界新記録”のはずが「失格」に。ゴール直前の混乱がミスを生む「事前に説明はなかった」

永野祐吏(THE DIGEST編集部)

2022.10.16

世界記録のタイムで走った道下だが、惜しくも失格となった。写真はゴールの瞬間。(C)田中研治(THE DIGEST写真部)

世界記録のタイムで走った道下だが、惜しくも失格となった。写真はゴールの瞬間。(C)田中研治(THE DIGEST写真部)

 世界新が誕生した数分後、まさかの失格が告げられた。

 10月16日に行なわれた『東京レガシーハーフマラソン2022』で、東京パラリンピック女子マラソン(視覚障がいT12)金メダリストの道下美里(三井住友海上)は、世界記録を2分25秒上回る1時間23分34秒という記録で、笑顔でゴールした。

 だが喜びに浸るのもつかの間、電光掲示板には「DQ」と失格を表す表示が灯った。その理由は、隣を並走していたガイドランナーの志田淳氏が選手より先にゴールラインを越えてしまったからだった。

 この結果を受け、志田氏は「本当にこれは私のミスなんですが、私の方が先にゴールしてしまった」と反省の弁を述べたうえで、このゴール直前に混乱が生じていたことを明かした。

「ゴールの100メートル手前くらいで、どちらに行くか指示している係員がいらっしゃいまして、我々もどっちに行っていい状態か分からなかった。あと急にゴールテープを張り出していたので、それを切らないといけないのかとか。ゴール手前の(地面に)ゴムの盛り上がった線が3つあり真ん中がゴールラインなんですけど、どこなのか迷ってしまった」
 
 100メートル手前でゴールの場所を決めるという取り決めが生んだまさかのアクシデント。志田氏は「事前に(大会側から)説明はなかった。ゴール前に臨機応変にどっちらにしよか指示を出そうとしていたみたいです」と話した。

 そして志田氏は、「本当に彼女は東京(パラリンピック)からも練習をずっと続けてきて、こういう場でもしっかり結果を出して、私がそれをサポートできなかった」と悔やみ、「彼女自身は本当に素晴らしかったです」と力走を称えた。

 一方、道下はガイドランナーを責めず、「こういうこともあります」と報道陣に対しにこやかに答え、「しっかり力はついているということだね」と自信を見せた。

取材・文●永野祐吏(THE DIGEST編集部)

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