11月6日、愛知・熱田神宮をスタートし、三重・伊勢神宮まで8区間106.8キロを競う『全日本大学駅伝』が開催される。前回大会の上位8校に加え、全国8地区の選考会を勝ち抜いた17校の計25校で、学生の頂点を決める。
今シーズン、春先からハーフマラソンや1万メートルなどで存在感を放ち、学生三大駅伝初戦の『出雲駅伝』で準優勝を果たした國學院大が、今大会の優勝候補の一角だ。8大会連続10回目の出場となる同チームの前田康弘監督に、出雲駅伝(以下、出雲)での戦いを振り返ってもらい、全日本大学駅伝(以下、全日本)に向けた意気込みを伺った。
――◆――◆――
出雲では2区で首位に躍り出た駒澤大をひたすらに追う展開を強いられた國學院大。4区の中西大翔(4年)が区間賞の走りで、チームを6位から2位に押し上げるも、一度もその背中を捉えることはできず、トップとは52秒差の2位で終わった。
前田監督は「悔しさが残った一方、戦えるという手応えを掴めた大会だった」と総括したうえで、「箱根駅伝で優勝した青山学院さんや、勢いがある中央さんに勝てた。優勝した駒澤さんも決して勝負できない距離ではなかった」と確かな感触を口にした。
当初から「三大駅伝全てで表彰台に立つこと」を目標に掲げる同大学。初戦の出雲では難なく達成したが、全日本も上方修正することなく「3位以内」と公言する。ただ「3位を狙って3位に入るのではなく、優勝に絡むような駅伝をして3位以内になりたい。自分たちの強さを見せて、チャンスがあれば優勝を狙いたい。もしかしたら勝つかもしれないと関係者にワクワク、ドキドキを届けられれば」と話す。
やはり同監督が警戒するチームは、出場校最多となる14度の優勝を誇り、大会3連覇と同時に出雲に続く2冠目を狙う駒澤大だ。駒澤大の大八木弘明監督と師弟関係にある前田監督は、「大八木さんは全日本を得意としている。そんな駒澤さんの三冠を邪魔したいですね」と沸々と対抗心を燃やす。
出雲での雪辱を果たすために「選手たちが優勝を狙うなら優勝の区間配置をしないといけない。全日本は区間配置が難しい。なので采配が凄く大事になってくる」と指揮官は腕を鳴らして優勝への戦略を立てようとしている。
もちろん「駅伝の鉄則である前半を軽視するわけにもいかない」と前置きしつつも、「攻めた配置にしないと勝てないと思う。普通にあてはめれば、駒澤さんや青山学院さんの方が上。だけど組み合わせによっては、形勢を逆転させられると思う」と選手の可能性を最大限に広げて考える。さらに後半区間には自信をみなぎらせる。
「7区8区の2区間で37キロほどあって、一気に流れを変えられる。駒澤さんや青山学院さんとここで力勝負になると思う。今回うちはその2区間が戦えそうであることが最大の強み」
最後に前田監督は、「今は『全日本でもう一度戦おう』という雰囲気がチームに漂っている。これまでやってきたことを発揮し、過去最高の順位を獲りにいきたい」と抱負を語った。
6日午前8時5分に号砲が鳴る。強豪校の隙をうかがい、優勝をも視野に入れる國學院大に注目だ。
取材・文●永野祐吏(THE DIGEST編集部)
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今シーズン、春先からハーフマラソンや1万メートルなどで存在感を放ち、学生三大駅伝初戦の『出雲駅伝』で準優勝を果たした國學院大が、今大会の優勝候補の一角だ。8大会連続10回目の出場となる同チームの前田康弘監督に、出雲駅伝(以下、出雲)での戦いを振り返ってもらい、全日本大学駅伝(以下、全日本)に向けた意気込みを伺った。
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出雲では2区で首位に躍り出た駒澤大をひたすらに追う展開を強いられた國學院大。4区の中西大翔(4年)が区間賞の走りで、チームを6位から2位に押し上げるも、一度もその背中を捉えることはできず、トップとは52秒差の2位で終わった。
前田監督は「悔しさが残った一方、戦えるという手応えを掴めた大会だった」と総括したうえで、「箱根駅伝で優勝した青山学院さんや、勢いがある中央さんに勝てた。優勝した駒澤さんも決して勝負できない距離ではなかった」と確かな感触を口にした。
当初から「三大駅伝全てで表彰台に立つこと」を目標に掲げる同大学。初戦の出雲では難なく達成したが、全日本も上方修正することなく「3位以内」と公言する。ただ「3位を狙って3位に入るのではなく、優勝に絡むような駅伝をして3位以内になりたい。自分たちの強さを見せて、チャンスがあれば優勝を狙いたい。もしかしたら勝つかもしれないと関係者にワクワク、ドキドキを届けられれば」と話す。
やはり同監督が警戒するチームは、出場校最多となる14度の優勝を誇り、大会3連覇と同時に出雲に続く2冠目を狙う駒澤大だ。駒澤大の大八木弘明監督と師弟関係にある前田監督は、「大八木さんは全日本を得意としている。そんな駒澤さんの三冠を邪魔したいですね」と沸々と対抗心を燃やす。
出雲での雪辱を果たすために「選手たちが優勝を狙うなら優勝の区間配置をしないといけない。全日本は区間配置が難しい。なので采配が凄く大事になってくる」と指揮官は腕を鳴らして優勝への戦略を立てようとしている。
もちろん「駅伝の鉄則である前半を軽視するわけにもいかない」と前置きしつつも、「攻めた配置にしないと勝てないと思う。普通にあてはめれば、駒澤さんや青山学院さんの方が上。だけど組み合わせによっては、形勢を逆転させられると思う」と選手の可能性を最大限に広げて考える。さらに後半区間には自信をみなぎらせる。
「7区8区の2区間で37キロほどあって、一気に流れを変えられる。駒澤さんや青山学院さんとここで力勝負になると思う。今回うちはその2区間が戦えそうであることが最大の強み」
最後に前田監督は、「今は『全日本でもう一度戦おう』という雰囲気がチームに漂っている。これまでやってきたことを発揮し、過去最高の順位を獲りにいきたい」と抱負を語った。
6日午前8時5分に号砲が鳴る。強豪校の隙をうかがい、優勝をも視野に入れる國學院大に注目だ。
取材・文●永野祐吏(THE DIGEST編集部)
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