全日本大学駅伝が11月6日、名古屋・熱田神宮西門前から三重県・伊勢神宮内宮宇治橋前までの8区間106.8kmのコースを舞台に行なわれる。決戦を2日後に控え、今大会の注目校に挙げられる中央大にスポットを向けながらレース展開を占う。(取材・文●生島淳)
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全日本大学駅伝の全体像は、駒澤大と青山学院大の二強対決が軸となりそうだ。
今年は例年以上に、指揮官たちの優勝に対する意気込みに並々ならぬものがある。
先週末のイベントに出席した駒大の大八木弘明監督は、「二冠を狙って……」と明言。この発言は、いつも控えめな目標設定をする大八木監督としては珍しい。出雲駅伝での勝利、重要区間を任されるであろう田澤廉、鈴木芽吹が順調であることを示しているだろう。
一方、青学大の原晋監督は出雲駅伝に負けた直後、「今年の全日本は狙いますよ」と闘志をみなぎらせていた。6人の出雲より8人の全日本、そして8人の全日本よりも10人の箱根と、選手層の厚さが問われれば問われるほど、青学大としては強みを発揮できる。
そして注目は、出雲で3位に入った中央大だ。
2016年の箱根駅伝予選会では出場権を得られず、名門はどん底を経験した。そして昨年度は全日本、箱根でシード権復活、いよいよ名門はV字回復のフェーズに入った。
そして今季、藤原正和監督の就任7年目を迎え、ついに学生三大駅伝のひとつ、出雲で3位に。
ただし、3位に入った喜びよりも、出雲ではチャンスを逸してしまった――という悔しい表情を藤原監督は見せた。それでも、全日本へと頭を切り替え、「みなさんが驚くようなオーダーで全日本は勝ちにいきます」と話していた。
秘策アリ、ということだろう。
私自身も、全日本では中大がレースを盛り上げてくれるのではないかと期待している。それは取材過程で、藤原監督がチームのピークを11月から正月にかけて合わせていることを夏の段階から明確にしていたからだ。たとえば……。
「出雲は勝ちに行くというよりも、全日本、箱根を見据えたうえでの強化の線上にあると考えています」
出雲は決して「狙った」大会ではなかった。しかし、勝つチャンスがあっただけに悔しさが募ったのだろう。
11月から頂点を狙いに行くために、監督が選手選考の指標として掲げたのが、「2本そろえる」ことだった。
10月の頭から、吉居大和らトップ選手たちは新潟で行なわれたアスレチックチャレンジカップと出雲、そして当落線上の選手たちは日体大記録会で5000m、早大記録会で10000mの2本を2週連続で走り、実力を示す必要があった。
10月を終え、現在の中大の戦力はこのようなレイヤーを構成している。
ゲームチェンジャー
吉居大和(3年)
主力
中野翔太(3年)
阿部陽樹(2年)
溜池一太(1年)
吉居駿恭(1年)
4年生
千守倫央
若林陽大
中澤雄大
実力伯仲
湯浅仁 (3年・日体大記録会5000mで13分台の自己ベスト)
山平怜生(2年・早大記録会10000mでチームトップ)
白川陽大(1年・早大記録会でチーム内2位)
こうやって見ていくと、10人前後の選手がおり、この1年ではるかに選手層が厚くなった。そうなれば、藤原監督もオーダーに工夫ができる。
「みなさんが驚くようなオーダーで」という言葉が出たのは、工夫の余地があることを示しているわけだ。
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全日本大学駅伝の全体像は、駒澤大と青山学院大の二強対決が軸となりそうだ。
今年は例年以上に、指揮官たちの優勝に対する意気込みに並々ならぬものがある。
先週末のイベントに出席した駒大の大八木弘明監督は、「二冠を狙って……」と明言。この発言は、いつも控えめな目標設定をする大八木監督としては珍しい。出雲駅伝での勝利、重要区間を任されるであろう田澤廉、鈴木芽吹が順調であることを示しているだろう。
一方、青学大の原晋監督は出雲駅伝に負けた直後、「今年の全日本は狙いますよ」と闘志をみなぎらせていた。6人の出雲より8人の全日本、そして8人の全日本よりも10人の箱根と、選手層の厚さが問われれば問われるほど、青学大としては強みを発揮できる。
そして注目は、出雲で3位に入った中央大だ。
2016年の箱根駅伝予選会では出場権を得られず、名門はどん底を経験した。そして昨年度は全日本、箱根でシード権復活、いよいよ名門はV字回復のフェーズに入った。
そして今季、藤原正和監督の就任7年目を迎え、ついに学生三大駅伝のひとつ、出雲で3位に。
ただし、3位に入った喜びよりも、出雲ではチャンスを逸してしまった――という悔しい表情を藤原監督は見せた。それでも、全日本へと頭を切り替え、「みなさんが驚くようなオーダーで全日本は勝ちにいきます」と話していた。
秘策アリ、ということだろう。
私自身も、全日本では中大がレースを盛り上げてくれるのではないかと期待している。それは取材過程で、藤原監督がチームのピークを11月から正月にかけて合わせていることを夏の段階から明確にしていたからだ。たとえば……。
「出雲は勝ちに行くというよりも、全日本、箱根を見据えたうえでの強化の線上にあると考えています」
出雲は決して「狙った」大会ではなかった。しかし、勝つチャンスがあっただけに悔しさが募ったのだろう。
11月から頂点を狙いに行くために、監督が選手選考の指標として掲げたのが、「2本そろえる」ことだった。
10月の頭から、吉居大和らトップ選手たちは新潟で行なわれたアスレチックチャレンジカップと出雲、そして当落線上の選手たちは日体大記録会で5000m、早大記録会で10000mの2本を2週連続で走り、実力を示す必要があった。
10月を終え、現在の中大の戦力はこのようなレイヤーを構成している。
ゲームチェンジャー
吉居大和(3年)
主力
中野翔太(3年)
阿部陽樹(2年)
溜池一太(1年)
吉居駿恭(1年)
4年生
千守倫央
若林陽大
中澤雄大
実力伯仲
湯浅仁 (3年・日体大記録会5000mで13分台の自己ベスト)
山平怜生(2年・早大記録会10000mでチームトップ)
白川陽大(1年・早大記録会でチーム内2位)
こうやって見ていくと、10人前後の選手がおり、この1年ではるかに選手層が厚くなった。そうなれば、藤原監督もオーダーに工夫ができる。
「みなさんが驚くようなオーダーで」という言葉が出たのは、工夫の余地があることを示しているわけだ。