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「前を捉えてくれ」9年目の苦労人が掴んだ悲願のビッグタイトル!砂転向の良血ジュンライトボルトが頂点へ【チャンピオンズカップ】

三好達彦

2022.12.06

強烈な差しでジュンライトボルトが初のGⅠ制覇。人馬とも初のビッグタイトルを手にした。写真:産経新聞社

強烈な差しでジュンライトボルトが初のGⅠ制覇。人馬とも初のビッグタイトルを手にした。写真:産経新聞社

 12月4日、23回目を迎えたチャンピオンズカップ(GⅠ、中京・ダート1800m)が行なわれ、単勝3番人気に推されたジュンライトボルト(牡5歳/栗東・友道康夫厩舎)が豪快な追い込みで優勝。手綱をとった石川裕紀人騎手とともに、GⅠ初制覇を成し遂げた。

 2着には2番手で粘った4番人気のクラウンプライド(牡3歳/栗東・新谷功一厩舎)が入り、3着も先行策をとった6番人気のハピ(牡3歳/栗東・大久保龍志厩舎)が健闘した。一方、単勝オッズ1.5倍という圧倒的な支持を受け、本レースの連覇を狙ったテーオーケインズ(牡5歳/栗東・高柳大輔厩舎)は、直線で伸びを欠いて4着に敗れた。

 前年の覇者テーオーケインズの”一強ムード”で迎えた秋のJRAダート王決定戦だったが、帝王が立ちはだかるはずの壁は脆くも崩れ去った。駐立が良くないためゲートに課題を抱えるテーオーケインズだが、この日はやや立ち遅れた程度で、すぐに立て直して6番手付近の外目に取り付いた。

 逃げたのはレッドソルダード(セン4歳/栗東・奥村豊厩舎)で、クラウンプライドが2番手を進み、いつもは後方からの追い込みを得意とするハピは予想を裏切って3番手に付けた。ジュンライトボルトは中団の後ろ目でインコースを進み、ライアン・ムーア騎手を鞍上に迎えた2番人気のグロリアムンディ(牡4歳/栗東・大久保龍志厩舎)は行きっぷりがいま一つで10~11番手からの追走となった。
 
 確固たる逃げ馬が不在だったこともあり、レッドソルダードが刻んだ1000mの通過ラップは1分02秒4と、GⅠレースとしては明らかなスローで、先団に有利な流れ。そして密集状態でひと塊になりながら、馬群は直線へと向いた。

 レッドソルダードが失速したため、クラウンプライドが自然と先頭に立ち、その内でハピが2番手へ。馬群が密集していたため外々を回る形になったテーオーケインズもスパートに入るが、末脚にはいつものような力強さがない。そこへ後続馬群から抜け出して猛追してきたのがジュンライトボルト。ひと際目立つ脚色で一気に前を行く3頭を射程に捉えると、粘り込みを図るクラウンプライドをクビ差交わしてトップでゴールを駆け抜けた。

 上がり3ハロンの時計を見ると、2位のクラウンプライド、ハピの36秒7を0秒5も上回る36秒2を計時。先行有利のスローペースで流れたレースを一気に引っ繰り返した凄まじい爆発力は数字でも示されていた。
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