専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
その他

【名馬列伝】見事な復活で天皇賞を連覇!闘志を取り戻したスペシャルウィークが、現役最終戦で見せた気迫のレース<後編>

三好達彦

2022.07.31

98年の天皇賞を春秋連覇したスペシャルウィーク。同年での連続制覇は88年のタマモクロス以来だった。写真:産経新聞社

98年の天皇賞を春秋連覇したスペシャルウィーク。同年での連続制覇は88年のタマモクロス以来だった。写真:産経新聞社

 前年のジャパンカップ(3着)ののち休養に入っていたスペシャルウィークがターフに戻ってきたのは翌1999年1月、アメリカジョッキークラブカップ(GⅡ、中山・芝2200m)だった。

 久々の出走ながら、単勝オッズ2.0倍の1番人気に推されて臨んだこのレース。米国へ遠征中の武豊に替わってオリビエ・ペリエを鞍上に迎えたスペシャルウィークは、先行馬3頭を先に行かせて4番手の好位をキープ。直線で先に抜け出したサイレントハンターが粘り込もうとするが、それをあっさり交わすと、ほとんど追うところもなく3馬身差を付けて快勝。上々の滑り出しを見せた。
 
 武豊に手綱が戻った次戦は阪神大賞典(GⅡ、阪神・芝3000m)。ここでは前年の天皇賞・春(GⅠ、京都・芝3200m)を制したメジロブライトとの初対決となり、1番人気は1歳上のライバルに譲ったスペシャルウィークだった。しかし、道中は3番手を追走し、直線手前で先頭に立つという積極策に出ると、追撃するメジロブライトを3/4馬身制してゴール。順調なステップを踏みながら、いよいよ”大一番”へと駒を進めることになった。

 迎えた天皇賞・春。ここにはメジロブライトのほかに、前年の皐月賞と菊花賞で煮え湯を飲まされたセイウンスカイが待ち受けていた。

 ステップの日経賞(GⅡ、中山・芝2500m)を制して臨んできたセイウンスカイは流れを見ながら1周目のスタンド前で先頭に立ち、メジロブライトも定石どおり中団をキープ。対するスペシャルウィークは阪神大賞典で新味を見せた先行策を取り、セイウンスカイを外からマークするようなかたちで3番手を追走した。

 馬群はペースを上げながら直線へ向くと、セイウンスカイが先頭に躍り出るが、ワンテンポ遅らせて仕掛けたスペシャルウィークがそれを交わし、さらに外からメジロブライトが追撃。阪神大賞典の再現のような競り合いになり、結果、スペシャルウィークがメジロブライトを半馬身抑えて優勝。自身二つ目のGⅠタイトルを獲得し、ダービー馬としての威厳を表した。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号