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格闘技・プロレス

「一瞬の恐怖を乗り越えた」井上尚弥、バンタム級統一目前での“初の超過”に米メディアも驚嘆。調整には「完璧だった」の声

THE DIGEST編集部

2022.12.12

いよいよバンタム級統一への大一番を迎える井上尚弥。その一戦を前に予期せぬ事態に彼は見舞われた。(C)Getty Images

いよいよバンタム級統一への大一番を迎える井上尚弥。その一戦を前に予期せぬ事態に彼は見舞われた。(C)Getty Images

 思わず本人も苦笑いを浮かべてしまう展開となった。12月12日に神奈川県・横浜市内のホテルで行なわれたボクシングの世界バンタム級4団体統一戦に向けた前日計量での一幕だ。

 12月13日に東京・有明アリーナで行なわれるWBAスーパー&IBF&WBC世界同級3団体統一王者の井上尚弥(大橋)とWBO世界同級王者のポール・バトラー(英国)による“頂上決戦”が迫るなかで実施された計量での予期せぬ出来事だった。

 先んじて井上が計量台に乗ると、53.52キロリミットに対して30グラムの超過が判明。これをバトラー陣営が指摘したために再計量へ。その間に34歳の英国人ファイターは一発クリアをした。

 苦笑いを浮かべつつも、約3分後に戻ってきた井上は再計量を50グラムアンダーで難なくパス。計り終えた後に更新された本人のツイッターへの投稿によれば、「寸前で体重計が変わったから誤差が出てしまった」という。この日は日本で通常使用される錘を使用した計量台ではなくデジタルの体重計に直前になって変更されていたのだ。
 
 この井上のキャリア初となる“超過”には、海外メディアも反応している。米ボクシング専門サイト『Boxing Scene』は「イノウエは一瞬の恐怖を乗り越え、歴史に名を残すべく前進した」と計量シーンを描写。1度目の失敗からすぐさま体重を落とした調整力には「驚くべきものがあり、完璧だった」と賛辞を送った。

 そして、同メディアは「1973年にエンリケ・ピンダーがWBA、WBCのベルトを失って以来、バンタム級には“絶対王者”はいなかった」と指摘。そのうえで「イノウエならば、誰もが認めるチャンピオンになれる。彼は下馬評を見ても間違いなく大本命だ」と試合に向けた期待を寄せた。

 多少の騒動はあったものの、ベストコンディションで大一番に臨む井上。稀代の天才ファイターの運命の瞬間がいよいよ迫っている。

構成●THE DIGEST編集部

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