フィギュア

「失敗したら勝てない」――ジュニアGPファイナル女王に輝いた14歳島田麻央、その強さの要因「やることは同じ。変わらず努力」

沢田聡子

2022.12.16

14歳の島田(中央)が去年に続き、全日本ジュニアを優勝した。写真:滝川敏之

 14歳の全日本ジュニア女王・島田麻央が、ジュニアグランプリファイナルで世界の頂点に立った。
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 木下アカデミーに所属し濱田美栄コーチに師事する島田は、ノービス時代から高難度ジャンプを跳んでおり、早くから注目されていた期待の新星だ。ジュニアグランプリシリーズでも評判通りの活躍を見せて2連勝し、イタリア・トリノで行なわれていたジュニアグランプリファイナルに進出した。

 島田は、今季のフリーにトリプルアクセルと4回転トウループを組み込んでいる。優勝した全日本ジュニア選手権(11月27日)のフリー冒頭でも挑んでおり、トリプルアクセルで転倒したものの、ひるむことなく4回転トウループを跳び成功させた。ファイナルに向けても、「フリーは(トリプルアクセルと4回転の)2本決められるように、練習から緊張感を持ってやりたいです」と意欲を見せていた。
 
 ショート首位に立って迎えたファイナルのフリー。淡いラベンダー色の衣装をまとった島田は、スタート位置につくと笑顔になった。白鳥を表現する島田の今季のフリーは世界的な振付師のローリー・ニコル氏が手がけており、使用曲の『Passepied/Wild Swans Suite』もニコル氏が選んだという。

 冒頭のトリプルアクセルは、着氷で乱れる。しかし、続いて果敢に挑んだ4回転トウループは回転不足と判定されたものの、着氷した。三つ目のジャンプ要素となる3回転ルッツ-3回転トウループは、正確無比な跳躍だった。

 その後は、4分の1回転不足と判定された後半のコンビネーション以外のジャンプには全て加点が付き、スピンでも全てレベル4を獲得。日々の厳しい鍛錬がうかがわれる隙のない演技で、ショート・フリーともに1位で初優勝を果たした。
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「3Aと4回転ジャンプ以外は失敗したら勝てない」重ねた経験が彼女を強くした