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フィギュア

「一番充実していたかも」再起図る坂本花織が全開宣言! GPファイナル女王・三原舞依には暗雲「疲れが取れない」【全日本フィギュア】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2022.12.22

世界女王の坂本(左)とGPファイナル女王の三原(右)。21日の練習後、二人の表情は対照的だった。写真:田中研治、(C)Getty Images

世界女王の坂本(左)とGPファイナル女王の三原(右)。21日の練習後、二人の表情は対照的だった。写真:田中研治、(C)Getty Images

 世界女王が虎視眈々と反撃の機会を狙っている。

 フィギュアスケートの全日本選手権がいよいよ22日から開幕する。1日目はアイスダンスリズムダンスと女子ショートが行なわれる。

 21日には昨シーズンの世界選手権で金メダリストとなった坂本花織が前日練習を行なった。GPファイナル5位に沈んだ22歳は第1グループの曲かけでトップバッターを務めた。

 ショートとフリーのどちらかを流す曲を使用しなければならないこの日に坂本が選んだのはGPファイナルで失速したフリー『Elastic Heart』だった。与えられた時間は一人当たり2分30秒しかなく、演技のおよそ半分しか取り組めない慌ただしいものだったが、坂本は丁寧に氷の感触を掴みながら、スケーティングを続けた。ファイナルで得点を取りこぼしたジャンプはダブルアクセル、3回転ルッツ、3回転サルコウ、3回転フリップ+2回転トウループと、世界女王は復調の兆しをアピールした。

 練習後、本人は技術的な部分はあまり変化はないと語ったが、「後半、疲れて跳べなくなることが多かったですけど、ファイナル明けからは呼吸器系も乱れず、足の疲れも大丈夫だったので。ここまで日々、練習できていたので自信を取り戻せています」と手応えを口にし、“カオリ・スマイル”を全開にさせた。

「ものすごくリフレッシュできました。今季一番、充実していたかもしれない。(ファイナルから)短期間でしたけど、走り込みを頑張ってきたので。その成果が出てきているのかなと思うし、何とか試合に間に合わせられた」
 
 一方で、初のGPファイナル女王に輝いた三原舞依はGPファイナルから約2週間というタイトなスケジュールがカギを握りそうだ。記者からコンディション調整を問われると、「なんとかします」と笑顔で答えたが、苦心している様子は否めない。

 海外の強豪スケーターと世界トップレベルの戦いを繰り広げた激闘を終えた23歳は国内最高峰の戦いに再びコンディションを戻そうと、もがいている様子だった。

「なかなか疲れが取れていない。こっちに来るまでの練習はきつかった」と正直に語る三原だが、「それを表に出さないように、しっかり自分をコントロールしていけたらいいなと思います」とも話した。

 女子は他にも復活を図る紀平梨花や大技トリプルアクセルを持つ渡辺倫果、成長著しい14歳の島田麻央など、伸び盛りの選手が揃っており、覇権争いは混沌としている。はたして、どんな結末になるのだろうか。女子ショートは16時22分に滑走を迎える。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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