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クリスマスの中山で頂点に輝くのはイクイノックスだ! 対抗格の2頭には懸念材料【有馬記念プレビュー】

三好達彦

2022.12.24

今年の天皇賞・秋を制したイクイノックス。有馬記念でその強さを再び誇示できるか。写真:産経新聞社

 暮れの大一番、有馬記念(GⅠ、中山・芝2500m)が25日(日)に行われる。まだ28日(水)にホープフルステークス(GⅠ、中山・芝2000m)が控えてはいるものの、オールスター戦と呼ぶにふさわしい豪華メンバーが揃った2022年を締め括る一戦の行方を占ってみたい。

【動画】連覇なるか? エフフォーリアが制覇した昨年の有馬記念をチェック!
 結論から言えば、不動の本命はイクイノックス(牡3歳/美浦・木村哲也厩舎)だ。

 単純に実績だけを比較対照すれば、昨年の覇者であるエフフォーリア(牡4歳/美浦・鹿戸雄一厩舎)、今春の天皇賞(GⅠ、阪神・芝3200m)と宝塚記念(GⅠ、阪神・芝2200m)を連勝したタイトルホルダー(牡4歳/美浦・栗田徹厩舎)にイクイノックスを加えた"三つ巴"の戦いという図式になったところだろう。

 しかし、エフフォーリアは今春の2戦、大阪杯(GⅠ、阪神・芝2000m)を9着、宝塚記念(GⅠ、阪神・芝2200m)を6着と、昨年の秋に見せた強さが信じられない凡庸な走りで連敗。その後はツメの不安が出て放牧休養に入り、十分な乗り込みを経て11月30日にトレセンへ帰厩。今回は約半年ぶりの実戦となる。

 共同記者会見で鹿戸調教師は帰厩後の順調さをアピールしたが、全戦で手綱を取り続けている横山武史騎手は、「春と比べると良くなったが、去年と比べるとまだ前進気勢が足りない」と厳しいジャッジを口にしている。

 ポテンシャルはもちろんトップクラスであるが、春の不甲斐ないレース内容と、ツメの不安からの休養明けを"ぶっつけ"で臨むというローテーションでは大きな信頼は置きかねる。

 またファン投票で1位に推されての参戦となるタイトルホルダーは、今春は天皇賞が2着に7馬身差、宝塚記念が2馬身差と、"圧勝"との表現がふさわしい強さを見せてGⅠレース連勝を果たし、王者の名をほしいままにした。

 その後は予定どおりに渡仏し、凱旋門賞(GⅠ、ロンシャン・芝2400m)に出走。逃げて直線の半ばまで粘ったが、欧州の重馬場の厳しさにさすがのタフネスも脚が上がって11着に大敗を喫した。

 今回はそれ以来のレースとなるだけに、判断が非常に難しい。

 11月16日に休養先からトレセンへ帰厩。じっくりと調教が積まれ、最終追い切りでは5Fが67秒7~1Fが11秒6という優秀な時計を叩き出し、栗田調教師、横山和生騎手とも仕上がりに及第点を与えている。

 フットワークは"さすがGⅠ3勝馬"と思わせる力強さだった。しかし、JRA発表の「調教後の馬体重」は480㎏で、宝塚記念のときと比べて+6㎏と小幅な増加にとどまったものの、見た目にやや太く映るのが気になるところ。あくまで筆者の目を通しての感想にすぎないが、本当の意味で絞り切れていないのではないか、という印象を受ける。

 スタート後にすぐコーナーを迎える中山の2500mコースの外枠不利は知られるところだが、逃げ・先行を常とする本馬が抽選で13番枠を引いてしまった"運"の要素を含め、やはり本命と言い切るには躊躇するというのが正直な見方だ。
 
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“大穴”として上げておきたいのは内の2番枠。末脚が怖い一頭だ