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有馬記念でエフフォーリアが見せつけた”現役最強馬”の凄み。2022年に向けて明るい光が射し始めた

三好達彦

2021.12.29

エフフォーリアが皐月賞、天皇賞(秋)に続き、本年度三つ目のGⅠタイトルを獲得した。写真:産経新聞社

エフフォーリアが皐月賞、天皇賞(秋)に続き、本年度三つ目のGⅠタイトルを獲得した。写真:産経新聞社

 12月26日、66回目を迎える有馬記念(GⅠ、中山・芝2500m)が行なわれ、単勝1番人気に推されたエフフォーリア(牡3歳/美浦・鹿戸雄一厩舎)が快勝。皐月賞、天皇賞(秋)に続き、本年度三つ目のGⅠタイトルを獲得した。

 2着には先団から粘り強く脚を伸ばした5番人気のディープボンド(牡4歳/栗東・大久保龍志厩舎)が入り、これがラストランとなる2番人気のクロノジェネシス(牝5歳/栗東・斉藤崇史厩舎)は、3番人気のステラヴェローチェ(牡3歳/栗東・須貝尚介厩舎)を競り落として3着に入った。

 2着との差は3/4馬身ながら、エフフォーリアの完勝と言えるレースだった。

 予想どおりにパンサラッサ(牡4歳/栗東・矢作芳人厩舎)が気合をつけて逃げを打ち、菊花賞馬のタイトルホルダー(牡3歳/美浦・栗田徹厩舎)が2番手。クロノジェネシスはが中団の7番手を進むと、エフフォーリアはその直後の外という好位置に付ける。

 2番手以下を離して逃げるパンサラッサの1000mの通過タイムは58秒8と速めだが、中団以降を進む馬たちにとっては理想的なミドルペースだった。
 
 レースが動き始めたのは2周目の第3コーナー。エフフォーリアが徐々に位置を上げてクロノジェネシスに並びかけると、馬群はその長さを縮めながら直線へと向いた。

 まずタイトルホルダーが抜け出しにかかるが、それをディープボンドが追い掛ける。そのとき、クロノジェネシスを内に閉じ込めるようなかたちで、ライバルに先んじてアクセルをふかしたのが横山武史騎乗のエフフォーリア。目の覚めるような末脚で抵抗するディープボンドを交わすと、力強い脚どりでゴールを駆け抜けた。

「天皇賞(秋)が120%の出来だったので、(調教後に)それに比べると落ちるかなと話したのですが、能力の8、9割を出してくれれば、という思いでした。最後はがむしゃらに追って、それに応えてくれた馬に感謝です」

 前日に油断騎乗で制裁(2日間の騎乗停止)を受けた横山武史騎手は、まずその件を謝罪したあと、こう語った。

 また鹿戸雄一調教師は、「追い切りのあとは体調が良くなっていましたし、元気も良かったので心配はしていませんでした。ゴールの瞬間はホッとした感じです」と、史上最多となるファン投票の得票数(26万742票)を記録し、その支持や期待に応えられたがゆえの安堵を口にした。
 

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