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ラグビー

昨季リーグワン新人賞獲得から日本代表デビュー。W杯出場を狙う24歳のウインガー根塚洸雅とは何者か?

向風見也

2022.12.25

ウルグアイ戦で代表デビューを果たした根塚。来年のW杯出場を目指す。(C) Getty Images

ウルグアイ戦で代表デビューを果たした根塚。来年のW杯出場を目指す。(C) Getty Images

 24歳の根塚洸雅は、今年5月に閉幕したジャパンラグビーリーグワン初年度で新人賞を獲得。しかし、11月下旬まで2か月ほど続いた日本代表の試合では出番がなかった。

 遠征先で、SNSに自身の起用を待ち望む声が載っていると知った。

「ありがたいと思いつつも、その期待に応えられない申し訳なさもありつつ……という感じでしたね」

 そもそも最近の日本代表には、初選出組がレギュラーを取るのにいくつかの段階を踏まねばならない傾向がある。
 

 根塚は今年6月、若手主体で臨んだウルグアイ代表戦でデビューしたばかりだ。強豪国に挑む今秋のシリーズに際し、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチからはこう告げられていた。

「試合にたくさん出るというより、トレーニングで成長してほしい」

 果たして、首脳陣の想定を上回るまであと一歩に終わった。来年のワールドカップ・フランス大会出場へ、できることはひとつだ。

「まずリーグワンで『僕を(日本代表で)使わないとだめだ』と思わせるくらいのプレーヤーにならないと、状況は変えられない」

 東海大仰星高(当時名称)、法政大を経てきた。明朗快活で、学生時代に選ばれた年代別代表では自ずとリーダー格となった。

 現在所属するクボタスピアーズ船橋・東京ベイに入ったのは2020年のことだ。

 173センチ・82キロの体格は一線級にあっては小柄も、タッチライン際のウイングを主戦場に爪痕を残した。スペースを突っ切る走り、捕まって倒れてもすぐに起き上がって加速する姿勢、鋭い出足の防御が光った。

 代表定着のための鍵は、キックへの対応力だろう。

 世界の潮流を踏まえ、日本代表はキッキングゲームを重視する。後ろに入るウイングには、相手がスペースへ放つキックの軌道をカバーしたり、高く蹴り上げられたボールを飛び上がってキャッチしたり、逆に自らの足技で陣地を奪ったりするよう求める。

 主戦級のウイングに長身の万能型が並ぶのは、そのためと取れる。

 上司のニーズに応えられなければ、仕事はもらえない。根塚は今度の代表活動で、サイズに左右されない空中での捕球動作を磨いた。

 弾道へ向かって正面から飛び上がって片手でタップしようとする長身の相手へも、死角から一気に駆け込む。身体をぶつけ、向こうの体勢を崩しながら自軍ボールを確保する……。そんな着想のもと、「ボールへ入る角度、タイミング」について研究した。

「試合には出られなかったですけど、学べることはあった。いい経験はできた」
 
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