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格闘技・プロレス

「フランコが勝っている」2団体王座統一を逃した井岡一翔の薄氷ドロー決着に海外専門記者が異論!「地元の影響力だ」

THE DIGEST編集部

2023.01.01

ドロー決着で日本初となる2階級王座統一を逃した井岡。ベルトは守ったが、試合後はファンに詫びた。(C)Getty Images

ドロー決着で日本初となる2階級王座統一を逃した井岡。ベルトは守ったが、試合後はファンに詫びた。(C)Getty Images

 2022年12月31日、東京・大田区統合体育館でボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(志成)がWBA世界スーパーフライ王者ジョシュア・フランコ(米国)と同級の世界タイトル統一戦を懸けて対戦した。

 王者同士12ラウンドフルで戦ったが、判定は引き分け。井岡は日本初となる2階級での王座統一を逃した。33歳は2012年のWBA、WBC世界ミニマム級王座に続く王座統一はならなかったが、WBO王座6度目の防衛には成功している。
【画像】ドロー決着!井岡一翔vsジョシュア・フランコのスコアはこちら

 試合後に井岡は「期待に応えられず申し訳ありません。皆さん、応援ありがとうございました。ドローでベルトは守ったので次につながると思います。来年も宜しくお願いします。圧倒的な差を見せられなかった。気持ちと技術が高い選手で強かったです」と拳を交えたフランコを称えた。

 ほぼノンストップで12ラウンド、パンチの応酬が行なわれた。決着はつかず判定にもつれ込んだ試合は3人のジャッジのうち2人が114-114、1人はフランコを115-113で支持したが、結果はマジョリティードローと発表された。この発表に会場はざわつき、戦ったチャンピオン二人も一瞬だけだったが、困惑の表情を浮かべた。
 
 大晦日の風物詩ともなっている日本のボクシング世界戦。ボクシングやMMA、プロレスなど格闘専門ジャーナリストであるアルバロ・カレラ記者も、この世界戦を注視していた。同記者は「予想外の論争を巻き起こしながらも、ハイボルテージな展開が予想されたが、その通りになった」と白熱した試合内容に合格点を与えている。

 ところが、カレラ記者は自身の見解として「試合中は、ほとんど休む間もなく容赦ないペースが続いた。これだけ激しいと得点は難しいが、感触としてはフランコのスピードとパワーが上だった。イオカの戦いぶりは悪くなかったが、一騎打ちでは遅れをとっていたようにみえた」とフランコが優位だったと述べている。

 さらに、カレラ記者は付け加えて「このスポーツを特徴づけているのは、地元のアドバンテージの影響力だ。テレビで見る限り、互角の戦いでフランコが勝っているように見えたが、今回もそうだった」とホーム寄りの判定にいささか納得していない様子だった。

 11度目の大晦日世界戦を終えた井岡は、これで29勝2敗1引き分け(15KO)の戦績を残した。この日のリンクサイドには、WBC世界スーパーフライ級王者のフアン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)も試合を視察し、井岡に対する注目度は日々高まっている。

 2団体統一王者は逃したものの、2023年も井岡には世界の猛者たちから熱視線を注がれることは間違いなさそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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