ダゲスタン共和国。あまり聞きなれない国だ。インターネットで調べても、「情勢不安」「テロリストの温床」「危険すぎる」というネガティブなワードばかりが居並び、それだけで、どことなく恐ろしさを抱かせる。
だが、日本格闘技界の檜舞台である大晦日決戦では、ロシア連邦最南端、そしてカスピ海西岸に位置する小さな小国家からやってきた異能の戦士が違いを見せつけ、埼玉を沸かせた。
12月31日に行なわれた『RIZIN.40』のメインカードの第1試合で、ガジ・ラバダノフ(ロシア)は、武田光司(BRAVE)と対戦。5分3ラウンドの熱戦を闘い抜いた末に、フルマーク(3-0)での判定勝ちを収めた。
米総合格闘技団体『Bellator』と『RIZIN』の対抗戦と銘打たれた今大会において、ベラトール陣営の急先鋒を務めた29歳は、しっかりと違いを生み出した。日頃から元UFCライト級王者のハビブ・ヌルマゴメドフ(ロシア)が代表を務めるMMA団体『EFC』の下で研鑽を積む男は、1回途中に鋭い右ストレートを当て込むと、そこから一気に主導権を奪取する。
武田も粘った。相手の強烈な打撃を封じるべく、得意の組み技から流れを変えようと奔走した。しかし、ラバダノフが繰り出す一発ごとのダメージに29歳の日本人ファイターの身体は蝕まれていた。そして3回にはパワーでやや押し込まれて、ペースを持ち直せなかった。
いつでも仕留められるぞ――。終始、そんな雰囲気も漂わせたラバダノフ。自身の“師匠”ヌルマゴメドフを彷彿とさせる盤石の試合運びには、ただただ脱帽するしかない。
試合後に「武田選手は非常に強い意志を持っていた」と相手へのリスペクトを忘れなかったラバダノフ。そんなダゲスタン共和国からやってきた男の強さを、文字通りに体感した武田は、「すごい強かった。一緒に練習をして教わりたいと思った」と吐露。さらに「すげえ強いと思った。『こんな強い奴が、まだ世の中にはゴロゴロいるんだ』って感じてました」と眼前に立ちはだかった男が持つ圧力の凄まじさを振り返った。
結果的に仕留め切れはしなかった。それでも“常勝ヌルマゴメドフ軍団”としての存在感を十分に発揮したラバダノフ。彼は一夜にして「ネガティブな印象」が先行していたダゲスタン共和国への興味を抱かせ、筆者をはじめとする記者たち、そしてファンを驚かせた。
取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)
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武田も粘った。相手の強烈な打撃を封じるべく、得意の組み技から流れを変えようと奔走した。しかし、ラバダノフが繰り出す一発ごとのダメージに29歳の日本人ファイターの身体は蝕まれていた。そして3回にはパワーでやや押し込まれて、ペースを持ち直せなかった。
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結果的に仕留め切れはしなかった。それでも“常勝ヌルマゴメドフ軍団”としての存在感を十分に発揮したラバダノフ。彼は一夜にして「ネガティブな印象」が先行していたダゲスタン共和国への興味を抱かせ、筆者をはじめとする記者たち、そしてファンを驚かせた。
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