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格闘技・プロレス

堀口恭司も語った日本と世界の“差”。屈辱の大晦日対抗戦の全敗からRIZINはどう立ち直っていくべきなのか?

橋本宗洋

2023.01.02

扇久保の動きを冷静に見極めながら、卓越した試合運びを見せた堀口。彼の見せたパフォーマンスもまたRIZIN側に“世界”を知らしめるものになった。写真:永島裕基

扇久保の動きを冷静に見極めながら、卓越した試合運びを見せた堀口。彼の見せたパフォーマンスもまたRIZIN側に“世界”を知らしめるものになった。写真:永島裕基

 世界と日本の差はどこにあるのか。スーチョルに勝ったアーチュレッタは言った。

「攻撃に自信を持つことが大事だと思う。スーチョルも最初から攻めてきていたら違った試合になったかもしれない。怖いけど前に出られるかどうか、その差じゃないかな」

 確かに、サトシに勝ったマッキーは世界的な柔術家の寝技を恐れず、グラウンドでも積極的に打撃を浴びせた。寝技を避けようとして闘い方を窮屈にするより、リスクを背負ってでも勝ちを掴みにいったのだ。

 そして技術の差を指摘したのは、アメリカのジムATTに所属する堀口だ。

「技術的なものだったりが、遅れてるのかなと思って、僕もアメリカに渡った。技術の差やコーチの差、そういうものはアメリカに行って、肌で感じないと分からないので」
 
 日本で生まれ育ち、より強くなるために2015年にアメリカに移り住んだ堀口の言葉だけに説得力がある。今回、彼は過去に連勝している扇久保と3度目の対戦し、「対策は立てやすかった」と序盤に3発のカーフキックで致命的なダメージを負わせて完勝を収めている。

 外国人だから強い、というわけではない。格闘技にかける思いの強さで環境を変え、努力と創意工夫で堀口は世界トップレベルのファイターになった。これが他の日本人選手には不可能だ、とは言えないだろう。

 もちろん、技術もだがフィジカルの違いを感じたという関係者もいる。とにかくあらゆる面で、可能な限りすべてのやり方で差を詰めていくしかない。サトシもクレベルも、うなだれながら「もっと強くなる」と誓った。

 榊原氏は「リベンジロード」というテーマを設定し、個々の努力に任せるだけでなくチームとしてバックアップしていきたいとも語っている。とにかくこれが始まりだ。屈辱の大晦日、ここを基準にしてどう前進していくか。その先にしか歓喜の瞬間はない。

取材・文●橋本宗洋

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