第99回箱根駅伝は１月２日、東京・大手町から箱根・芦ノ湖までの5区間107.5kmで往路が行なわれ、史上5校目の学生駅伝三冠を狙う駒澤大学が5時間23分10秒で、19年ぶり4度目の往路優勝を飾った。同2位には、5時間23分40秒で史上最多14度の総合優勝を誇る中央大学が入った。

「悔しいです。往路優勝を狙っていたので。届かせてやれなかったのは監督としての力量の差かなと思っています」と中央大を率いる藤原正和監督は唇を噛んだ。トップの駒澤大とは30秒差で、惜しくも往路優勝を逃した。

　だが、絶対王者の駒澤大を相手に食い下がり、往路で２番手につけた選手たちを称え「全選手が設定タイム以上のいいタイムで走ってくれたので、うちとしては100％の走りをやってくれた」と確かな手応えを口にする。

　なかでも光ったのは、駒澤大の田澤廉（４年）や連覇を狙う青山学院大の近藤幸太郎（４年）など、各校のエースが集う「花の２区」を担った３年生の吉居大和だ。

　去年の１区でも区間賞を獲得したエースは序盤から積極的に仕掛け首位を奪取。その後、一時は３位まで後退したが盛り返し、終盤までデッドヒートを繰り広げた。吉居は戸塚中継所手前で見事なラストスパートを見せると、大学長距離界で無類の強さを見せる田澤を中継所手前でかわし、３区の中野翔太（３年）へ襷をつないだ。

　1時間6分22秒のタイムは、２位の近藤を２秒、３位の田澤を12秒上回る堂々の区間賞。「どうしても区間賞を獲りたいという気持ちがあったので頑張れた」という強い思いは最高の結果に結びついた。
  　吉居から襷を引き継いだ中野も区間賞で首位を死守。４区で吉居の弟・駿恭（１年）が３位に後退するも、５区の阿部陽樹（２年）が青山学院大を序盤で抜き去り、駒澤大を最後まで追撃し２位でフィニッシュした。

　首位の駒澤大と30秒差で明日の復路を迎える藤原監督は「明日にいい形でつながったので、ここまでくればやっぱり頂点を目指したいので、絶対に３番以内を取ってやろうと思っている」と今季で就任７年目を迎えた指揮官は逆転優勝へ気合いを入れた。

　駅伝三冠を狙う絶対王者・駒澤大に対し、古豪が待ったをかけるのか。９人の学生ランナーがつないだ襷を東京・大手町のフィニッシュテープを最初に切る大学は、はたしてどこだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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