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格闘技・プロレス

「バトラーのせいだ」独自PFPで井上尚弥を2位とした米識者が持論を展開「1位に選んでいたかは分からない」

THE DIGEST編集部

2023.01.05

バトラーに文字通りの地力の差を見せつけた井上。そのパフォーマンスは世界から高い評価を受けていたが……。(C) 写真:AP/アフロ

バトラーに文字通りの地力の差を見せつけた井上。そのパフォーマンスは世界から高い評価を受けていたが……。(C) 写真:AP/アフロ

 師走の日本列島を彩ったのは、ボクシング界が屈指のハードパンチャーである井上尚弥(大橋)だった。昨年12月13日に有明コロシアムで行なわれたWBO同級王者のポール・バトラー(英国)を11回KOで破り、アジア人初の完全統一を果たした。

 タイトルマッチすべてをKOで飾ったのは、史上初の快挙だった。ゆえに「イノウエ」の名は世界的に声価を高めた。そうしたなかで、年明け早々に独自のパウンド・フォー・パウンドを掲載した米ボクシング専門メディア『Bad Left Hook』は、29歳の日本人ファイターを1位に選出した。

 もっとも、これは複数パネリストたちの投票を統計した結果だ。識者たちの中には、井上を1位に選ばなかった人物も当然いる。現WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級統一王者のオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)をトップに選出したルイス・ワトソン氏は、日本が誇るモンスターを2位とし、その理由を次のように説明している。

「イノウエがポール・バトラーを相手に何かをやっていたとしても、私が彼を1位に選んでいたかは分からない。ただ、この順位にしたのは井上のせいというよりも、バトラーが守備的な戦いを選んだせいである。日本の“モンスター”は、未来のP4P(パウンド・フォー・パウンド)の王であるセバスチャン・フンドラ(米国)を除けば、私が最も注目しているファイターだ」

 たしかにバトラー戦での井上は、カウンターを狙い続けた相手の“守戦”に攻めあぐねた感は否めない。ノーガード戦法による挑発的な行動も取ったが、ラッシュで打ちのめした11回まで決定打を打ち込めなかったのである。
 
 そうした試合展開もあって、「バトラーのせいだ」と強調して井上を2位に選んだワトソン氏は、こうも続けている。

「ウシクの戦績は常に1位にふさわしいものだった。タフだったデビッド・アバネシアンに勝利したテレンス・クロフォードにも上位に上がるだけの理由があったと言える」

 バトラー戦後にスーパーバンタム級への転向を明言した井上。同階級はスティーブン・フルトン(米国/WBC、WBO同級王者)やムラドジャン・アフマダリエフ(ウズベキスタン/WBAスーパー、IBF王者)といった難敵がひしめくが、常に「強い奴とやりたい」と語ってきた偉才は己の声価を高め、ワトソン氏の考えを改めさせられるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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