ドーピング違反疑惑の渦中にある女子フィギュアスケーター、カミラ・ワリエワ(ROC)にロシア反ドーピング機関(RUSADA)は違反を認めながらも「過失なし」と判断。この決定を世界ドーピング防止機構(WADA)が現地1月13日に発表した。
昨年2月に行なわれた北京五輪の団体戦で金メダルを獲得した直後にワリエワは、ドーピング陽性反応(検体は2021年12月ロシア選手権のもの)が発覚。周囲からの容赦ない非難を浴びるなか、個人でもリンクに立った彼女は、精神的に耐え切れずミスを連発し、4位に終わった。
同一件は世界的に大騒動となった。その後、しばらくは進展はなかったが、10月にようやくロシア反ドーピング機関(RUSADA)は声明を発表。だが、ドーピング陽性となった際の年齢が15歳(現在16歳)という「保護対象者」であったことを理由に「公表しない」という内容だったのである。これにWADAは「4年間の出場停止」と「北京五輪での団体金メダルはく奪(2021年12月25日を含む彼女が出場した大会を失格)」を求めるなど、議論は平行線をたどっていた。
そして約1年が過ぎた1月13日、WADAは新たな進展を報告している。それはサンプルを採取したロシア選手権の成績を無効にするも、他には制裁を科さないという決断であったのだ。
この結論に納得を示していないのは、米国反ドーピング機関のラビス・タイガートCEOだ。米紙『USA TODAY』によれば、同氏は「WADAとISUは反ドーピングシステムの信頼性とすべてのアスリートの権利のために、この決定に不服を申し立て(上訴し)なければならない」と憤慨したうえで、こう強く訴えた。
「RUSADAはロシアのドーピング不正を支援する機関で、世界反ドーピング規約を遵守しない。この身勝手な決定を世界が受け入れるわけにはいかない」
トップスケーターを巡るドーピング問題はどのような形で終止符を打つことになるだろうか。悠々と4回転を跳ぶ彼女に引き続き注目だ。
構成●THE DIGEST編集部
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昨年2月に行なわれた北京五輪の団体戦で金メダルを獲得した直後にワリエワは、ドーピング陽性反応(検体は2021年12月ロシア選手権のもの)が発覚。周囲からの容赦ない非難を浴びるなか、個人でもリンクに立った彼女は、精神的に耐え切れずミスを連発し、4位に終わった。
同一件は世界的に大騒動となった。その後、しばらくは進展はなかったが、10月にようやくロシア反ドーピング機関(RUSADA)は声明を発表。だが、ドーピング陽性となった際の年齢が15歳(現在16歳)という「保護対象者」であったことを理由に「公表しない」という内容だったのである。これにWADAは「4年間の出場停止」と「北京五輪での団体金メダルはく奪(2021年12月25日を含む彼女が出場した大会を失格)」を求めるなど、議論は平行線をたどっていた。
そして約1年が過ぎた1月13日、WADAは新たな進展を報告している。それはサンプルを採取したロシア選手権の成績を無効にするも、他には制裁を科さないという決断であったのだ。
この結論に納得を示していないのは、米国反ドーピング機関のラビス・タイガートCEOだ。米紙『USA TODAY』によれば、同氏は「WADAとISUは反ドーピングシステムの信頼性とすべてのアスリートの権利のために、この決定に不服を申し立て(上訴し)なければならない」と憤慨したうえで、こう強く訴えた。
「RUSADAはロシアのドーピング不正を支援する機関で、世界反ドーピング規約を遵守しない。この身勝手な決定を世界が受け入れるわけにはいかない」
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