ラグビー

”フィジカル”に好感触。仏リーグ挑戦で『強さ』が加わった快速FB松島幸太朗が今秋ラグビーW杯へ決意「全部出し切る」

向風見也

2023.01.27

2季ぶりに国内リーグに復帰した松島は世界最高峰の仏リーグでもまれた経験をリーグワンの舞台で存分に発揮している。(C) Getty Images

 バージョンアップした。

 2015、19年に2大会連続でラグビーワールドカップ(W杯)に出場した日本代表の松島幸太朗は、そう実感する。

「身体が大きくなっているのでフィジカルの部分で疲れにくくなっているし、疲れを感じていてもやれる、という(感触)のがある」

 約8年在籍した東京サントリーサンゴリアスへ2季ぶりに復帰したのは22年7月。それまでの2シーズンはASMクレルモン・オーヴェルニュの一員として、フランス・トップ14に挑んだ。

 タフなぶつかり合いの多い欧州で、体重は挑戦時より「6キロ」も増えた。おかげで、昨年12月中旬に開幕した国内リーグワンにあって「フィジカル」での好感触を掴めている。
 
 1月14日の第4節でサントリーは敵地のノエビアスタジアム神戸に乗り込み、コベルコ神戸スティーラーズと激突した。2018年の旧トップリーグ覇者である老舗チームを39-19で下すまでの間、来月で30歳を迎えるフルバックは骨太の走りを繰り出した。

 前半15分、松島は敵陣中盤の左の狭い区画で突進。南アフリカ代表経験のあるマルセル・クッツェーとぶつかりながら、捕まらずに1歩、2歩と前に出る。続く25分にも、敵陣10メートル線付近の中央あたりで元日本代表のアタアタ・モエアキオラ、南アフリカ出身のJD・シカリングといった、自身より大きなタックラーへ順にクラッシュした。前進し、一度は倒れ込みながらもすぐに起き上がり歩を進めた。

 昨秋の日本代表期間は、松島にとってやや消化不良気味だった。怪我明けで、かつ十分なトレーニングを積めなかったからだ。もっとも、今は古巣の施設で腰を据えてトレーニングを行ない、故障のケアに努められる。おかげでコンディションは右肩上がりで、フランスで得た財産をパフォーマンスに反映させやすくなった。

「身体は(秋の)ジャパンの時に比べて強くなっています。ウエイトも毎日、やれていますし、それがグラウンド(でのパフォーマンス)に出ています。週の前半にしっかり下半身を鍛えて、後半は上半身を。すごく充実はしています」
 
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「スーパーカー」と謳われた速さに、”強さ”が加わった