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ラグビー

”フィジカル”に好感触。仏リーグ挑戦で『強さ』が加わった快速FB松島幸太朗が今秋ラグビーW杯へ決意「全部出し切る」

向風見也

2023.01.27

 特に前半の「下半身」が肝のようだ。スクワットなどで臀部、足を鍛えることで、以前あったハムストリングスの怪我はしづらくなった。かねて「スーパーカー」と謳われた速さ、しなやかさに、”強さ”も付け加えたうえ、戦列を離れるリスクを減らしている。

 さらに注視されるべきは、ラン以外の場面でも特色を発揮していることだ。チーム公式サイトでは身長178センチ、体重87キロの松島は、ナショナルチームではタッチライン際のウイングを主戦場とする。

 ただし、桐蔭学園高校時代から松島は最後尾のフルバックに拘りを持つ。原則的には与えられたポジションで最善を尽くしたいと話すのだが、行く先々でフルバックを任されるための最善も尽くす。そのために目下、足技に関する技術と判断力を高めようとしている。プレーの幅を広げるためにも。

 また、最近では相手の反則で得たペナルティーキックをタッチラインの外へ蹴り出す役目を自ら率先して担うようになった。ときにはそのボールを、あえてインフィールドの穴場に放ち、対戦相手を慌てさせる。その狙いを、松島は次のように力説する。

「裏(のスペース)が空いていたらカオス(混沌)を作れる。ああいうのって、結構ダメージを与えられる」
 
 現在29歳。松島は今秋のW杯フランス大会で望む結果を得るべく、リーグワンで新境地を切り開いている。日本が誇る快速フルバックは「今年ワールドカップがある。自分の持っているものを全部出し切る気持ちではいます」と9月8日に開幕する大舞台に向けて意気込む。

 また、松島は渡仏中に結婚。2021年大晦日にはインスタグラムで第1子の誕生を報告している。家族を持って国内プロ生活を楽しむのは今回が初めてだ。独身時代との違いを問われると「オフの日の過ごし方は、変わりました。あんまりゴロゴロはできない」と淡々とした口調で笑いを誘う。

 ラガーマンとして大きく進歩しても変わらない、この男のチャームポイントが垣間見えた場面だった。

文●向風見也

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