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米トランスジェンダー水泳選手の参戦で協会に非難の声! ライバル選手が「みんな動揺している」と平等性を再主張

THE DIGEST編集部

2023.02.12

昨春に全米を制する会心の泳ぎを見せたトーマス。彼女の歴史的なレースはいまだ波紋を広げている。(C)Getty Images

昨春に全米を制する会心の泳ぎを見せたトーマス。彼女の歴史的なレースはいまだ波紋を広げている。(C)Getty Images

 昨年3月17日、アメリカ水泳界でスポーツの歴史をも変えるレースが行なわれた。それは全米大学選手権の女子500ヤード(約457メートル)自由形だ。

 東京五輪で銀メダルを獲得したエマ・ワイアントも参戦した同レースにおいて異彩を放ったのは、男性から女性に性転換したリア・トーマスだった。NCAA(全米大学スポーツ協会)が設けるホルモン量のテストもクリアして参戦した彼女は、力強い泳ぎを披露すると、ケイティ・レデッキーが作った学生記録に9秒差に迫る4分33秒24で1位に。トランスジェンダー選手としては初の大会制覇となった。

 文字通りの歴史的な快挙だった。一方で異論も噴出した。トーマスは根本的な筋肉量が多いうえに、2018年には男子スイマーでもあったという理由から参戦そのものに違和感を覚える者が少なくなかった。

 もっとも、当人は「私は男じゃない。トランスジェンダーも他のアスリートたちと同様に、もっと尊重されていいはず」と批判を意に介してはいなかった。だが、賛否両論を受け、国際水泳連盟は昨年6月にトランスジェンダー女子選手の女子の部への出場禁止とともに、「オープンカテゴリー」を新設すると決定した。
 
 この新たな方針を打ち出してから具体的な動きはない。そうしたなかで、スポーツ界におけるトランスジェンダー選手の女子カテゴリーへの参戦に批判を展開してきた人もいる。先述大会の200ヤード(約182.88メートル)自由形でトーマスに敗れ、5位に終わっていたケンタッキー大学のライリー・ゲインズだ。

 現地2月9日に米放送局『FOX News』に出演した彼女は、「あの大会で私たちは、NCAAから事前にトーマスと更衣室を共にすることを知らされていなかった。正直に言って、事前に伝えてほしかった……トーマスがズボンを下ろした時は辛かった」と吐露。さらにゲインズは「このことを話すことがどれだけ勇気のいることなのかを分かってほしい」と続け、胸の内を明かした。

「他のNCAAに所属するスイマーとも話した経験から言うと、みんなが動揺して恐れている。トーマスのチームメイトでさえもね。今までに経験したことがないことだから。性別を変えられない女性にも平等なチャンスが与えられるべき」

 以前に「私はリアの水泳キャリアを全面的に支持してる。彼女が一生懸命に努力をしてきたのは間違いないし、NCAAの定めた規定を守っているだけ」と語っていたゲインズ。はたして、彼女の声は、問題解決あるいは、さらなる促進に貢献するものになるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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