バンダム級戦線が大いに沸いている。
現地時間11月30日、イギリスのバーミンガムでボクシングのWBO世界バンタム級王座統一戦が行なわれ、暫定王者ジョエルリエル・カシメロ(フィリピン)が、正規王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)を3回TKOで破り、王座統一に成功した。
下馬評では圧倒的に劣勢と見られていたカシメロだが、序盤から周囲をあっと言わせるファイトを披露。巧みなステップワークで世界戦史上最速KO記録(11秒)を持つテテの鋭いパンチをかわし続けて翻弄。
そして3回にカシメロは魅せる。右フックで先制ダウンを奪うと、なんとか立ち上がったテテをロープ際に追い込み、怒涛のラッシュを叩き込んで、TKO勝ちを収めたのだ。
テテの牙城が崩れたことで、注目を集めていたWBSSバンタム級初代王者でWBA・IBF王者である井上尚弥への挑戦権の行方は混沌としてきている。
目下、筆頭候補に躍り出たとみられているのが、他ならぬカシメロである。統一戦後のフラッシュインタビューでは、「次はイノウエとやりたい。そうだ“モンスター”だ。オレの標的はイノウエだ。さぁ、かかってこいよ」と大胆にも挑発した。
当の井上もカシメロ戦への意欲は十分だ。それは前述の統一戦後に自身のツイッターで、「カシメロと戦う事に興味が湧いてきた」と投稿したことからも分かる。
そんなビッグマッチの実現へ躍起となっているカシメロ陣営の動きは早い。
アメリカのボクシング専門メディア『Boxing Scene』によれば、カシメロが契約をし、母国の英雄パッキャオが経営する「MP(マニー・パッキャオ)プロモーションズ」でマッチメーカーを務めるショーン・ギボンズ氏は、試合後に「我々の最優先はイノウエとの統一戦だ」と口にし、さらに井上戦は“御大”の希望であることも明らかにした。
「我々のチャンピオン(カシメロ)は7つの国で勝利してきた。そんな彼が勝ったことがない唯一の国が日本だ。ゆえにイノウエとの試合はやりたいと考えている。これは上院議員(パッキャオ)の求めるファイトだ。そして、我々の望みでもある」
ボクシング界のレジェンドファイターであり、現在はフィリピン国内で上院議員も務めているパッキャオの希望を明言したギボンズ氏。『Boxing Scene』によれば、WBO総会出席のために日本へ向かった同氏は、そのまま井上陣営との交渉に臨む意向だと報じている。
テテを打ち破って一気に存在感を強めるパッキャオの“愛弟子”は、井上の前にも立ちはだかるのだろうか――。実現すれば、実力派によるヒリヒリとした熱戦になることは必至だ。
構成●THE DIGEST編集部
現地時間11月30日、イギリスのバーミンガムでボクシングのWBO世界バンタム級王座統一戦が行なわれ、暫定王者ジョエルリエル・カシメロ(フィリピン)が、正規王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)を3回TKOで破り、王座統一に成功した。
下馬評では圧倒的に劣勢と見られていたカシメロだが、序盤から周囲をあっと言わせるファイトを披露。巧みなステップワークで世界戦史上最速KO記録(11秒)を持つテテの鋭いパンチをかわし続けて翻弄。
そして3回にカシメロは魅せる。右フックで先制ダウンを奪うと、なんとか立ち上がったテテをロープ際に追い込み、怒涛のラッシュを叩き込んで、TKO勝ちを収めたのだ。
テテの牙城が崩れたことで、注目を集めていたWBSSバンタム級初代王者でWBA・IBF王者である井上尚弥への挑戦権の行方は混沌としてきている。
目下、筆頭候補に躍り出たとみられているのが、他ならぬカシメロである。統一戦後のフラッシュインタビューでは、「次はイノウエとやりたい。そうだ“モンスター”だ。オレの標的はイノウエだ。さぁ、かかってこいよ」と大胆にも挑発した。
当の井上もカシメロ戦への意欲は十分だ。それは前述の統一戦後に自身のツイッターで、「カシメロと戦う事に興味が湧いてきた」と投稿したことからも分かる。
そんなビッグマッチの実現へ躍起となっているカシメロ陣営の動きは早い。
アメリカのボクシング専門メディア『Boxing Scene』によれば、カシメロが契約をし、母国の英雄パッキャオが経営する「MP(マニー・パッキャオ)プロモーションズ」でマッチメーカーを務めるショーン・ギボンズ氏は、試合後に「我々の最優先はイノウエとの統一戦だ」と口にし、さらに井上戦は“御大”の希望であることも明らかにした。
「我々のチャンピオン(カシメロ)は7つの国で勝利してきた。そんな彼が勝ったことがない唯一の国が日本だ。ゆえにイノウエとの試合はやりたいと考えている。これは上院議員(パッキャオ)の求めるファイトだ。そして、我々の望みでもある」
ボクシング界のレジェンドファイターであり、現在はフィリピン国内で上院議員も務めているパッキャオの希望を明言したギボンズ氏。『Boxing Scene』によれば、WBO総会出席のために日本へ向かった同氏は、そのまま井上陣営との交渉に臨む意向だと報じている。
テテを打ち破って一気に存在感を強めるパッキャオの“愛弟子”は、井上の前にも立ちはだかるのだろうか――。実現すれば、実力派によるヒリヒリとした熱戦になることは必至だ。
構成●THE DIGEST編集部