間もなく、F１での３年目のシーズンを迎えることになるアルファタウリの角田裕毅。2021年に多大な期待を受けてデビューを飾り、天性の速さを示す一方で初歩的なミスも幾度か犯すなど紆余曲折を経て、昨季はポテンシャルの低い車に苦しみながらも、ドライビングの安定感とレース運びなどで成長も感じさせるなど、良い点と悪い点半々の２年間を過ごした後の、勝負の１年となる。

【動画】アルファタウリ最新版「AT04」がテスト走行！ 角田裕毅のマシンがコースへ 　2023年シーズンに臨む角田にとって、これまでと最も異なるのは、チームメイトがピエール・ガスリーからニック・デ・フリースに変わることだろう。28歳という角田より年上のルーキーは、F２やフォーミュラEで年間王者に輝くなどの確固たる実績を有し、F１でも昨季はスポット参戦したイタリア・グランプリでいきなり９位入賞したことですでに高い評価を得ているが、それでも角田には２年の経験を活かしてのリーダーとしての役割が期待される。

　それを果たすことが22歳の日本人ドライバーを真の飛躍に導くとともに、F１でのキャリア継続を保証することになるとも見られているが、英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』も「持ちうる本物の能力を一貫して発揮できずにおり、現時点ではグリッド上で最も危険にさらされているドライバー」の角田が、ガスリー去りし後のアルファタウリでどれだけ成長を遂げられるかに注目している。

　同メディアは、この２年間の角田の成長を振り返る上で、以前にインタビューを行なったアルファタウリのチーフ・レースエンジニアであるジョナサン・エッドルスの「１年目の序盤はうまくいったものの、クラッシュなどで自信を喪失し、これを取り戻すのに長く時間がかかったものの、年末には改善された。そして２年目、彼は全く別の状態となり、自分自身に強い自信を持つようになった」というコメントを引用し、以下の言葉も紹介した。

「彼の英語のクオリティーも向上したことで、自分自身をよりよく表現することができるようになり、冗談も言うようになった。これで、スタッフらとの相互理解が高まり、チームとしての団結力も高まった。彼は今年、我々のファミリーの一員として、より結束を強めており、それはコースへの良いアプローチにも反映されている」

「彼のパフォーマンスは、より優れている。その強みは予選であり、ラップを繋ぎ合わせることができる。我々が取り組んできたのは、レースの50～60周における、ペース、競争、タイヤの管理、戦略などの全体像を意識することだ。ユウキはその合格点に到達しつつあるが、それでも彼はまだ成長している」