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「放出を後悔するかも」前評判の高いデ・フリースのアルファタウリ入りにメルセデス・スタッフが心境吐露「レッドブル昇格でも驚かない」

THE DIGEST編集部

2023.02.22

2023シーズンのアルファタウリのマシン『AT04』の前でツーショット。来季の同チームのドライバーを務めるデ・フリースと角田。(C) Getty Images

 昨季の大不振から脱却し、再び中段グループのトップ争いに参戦すべく準備に余念がないスクーデリア・アルファタウリ。今季はF1での勝負の3年目を迎える角田裕毅と、28歳にして最高峰レースでのシートを得たニック・デ・フリースのラインナップで、全22レースの厳しい戦いに臨む。

【動画】アルファタウリ最新版「AT04」がテスト走行! 角田裕毅のマシンがコースへ
 実力者ピエール・ガスリーに代わって加入したオランダ人ドライバーについては、ルーキーとはいえ、レース経験は豊富であり、F2、フォーミュラEで年間タイトルを獲得し、F1でも昨季のイタリア・グランプリでアレクサンダー・アルボンに代わってウィリアムズからスポット参戦でデビューを飾り、いきなり9位入賞を飾って「ドライバー・オブ・ザ・デイ」にも選ばれるほどのインパクトを放ったことで、その実力が早くも高く評価されている。

 昨季はメルセデスのリザーブドライバーとして、同チームの他、ウィリアムズ、アストンマーティンでレースウィークにコースを走り、さらにアルピーヌ、アルファタウリでもテストに参加した彼は、技術的な理解度、フィードバックの能力も高いことから、アルファタウリのフランツ・トスト代表からは「昨季、ニックはモンツァで並外れていた。彼は十分な準備ができており、集中する方法も知っている。すぐに新しい車に慣れると思うし、彼の貢献は計り知れないものになるだろう」と期待を寄せる。

 このように前評判の高いデ・フリースの存在は、アルファタウリにとっては頼もしい限りだろう。昨季、モンツァでのレースの後、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が同胞の獲得を進言したことに端を発し、レッドブルグループにとっての最大のライバルチームからの移籍が実現したわけだが、彼を送り出したメルセデスでは、今でもこのオランダ人ドライバーを惜しむ声がある。

 メルセデスのトラックエンジニアリング担当ディレクターのアンドリュー・ショブリンは、デ・フリースが最初のF1フル参戦のシーズンで、アルファタウリの「AT04」を駆って、いきなり良い走りを見せると確信しており、「メルセデスはデ・フリースの放出を後悔するかもしれない」と語っている。
 
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メルセデスでは「理想的なテストドライバーであり、リザーブドライバーだった」