“モンスター”に、また新たな勲章が加わった。
3月2日、2022年度のプロスポーツ界で最も活躍した選手や団体を表彰する「第52回内閣総理大臣杯日本プロスポーツ大賞受賞式典」が行なわれ、昨年12月ボクシングのバンタム級で世界4団体統一王者となった井上尚弥(大橋)が『日本プロスポーツ大賞』を初受賞した。
2018年に『殊勲賞』と『NHK賞』を受賞しているが、大賞は初めて。プレゼンターを務めた岸田文雄内閣総理大臣からも「プロスポーツの世界に歴史に刻み、多くの皆さんの記憶に刻まれる素晴らしい快挙であった」と称賛の言葉が贈られた。
岸田首相から最高の言葉をもらった井上は「すごく光栄に思うし、また今年も活躍が認められるように頑張っていこうかなと。辰吉さん以来ということでプロボクシングに陽があたる」とボクシング界にとって、明るいニュースが届けられたことを何より喜んだ。
また、式典後には『殊勲賞』と『NHK賞』を受賞した車いすテニスの国枝慎吾さんとトークショー。世界の頂点を知るアスリート同士の苦悩が明かされた。
国枝氏は車いすテニスの4大大会で男子世界歴代最多50度の優勝。2004年アテネから21年東京までパラリンピックに5大会連続で出場し、シングルス3個、ダブルス1個の金メダルを獲得した車いすテニス界の世界的なプレーヤー。今年1月22日に現役引退を発表した。
38歳のレジェンドは「現役のテニスをしている最中は他のスポーツをやってケガするなんて絶対にできなかった」と語り、やりたいこともできなかったと振り返る。
国枝氏は、「今はバスケや水泳などにチャレンジしていき、自分に合うもの、何か興味をそそられるもの」を模索している最中だと言い、「その先には車いすテニスの人気というものを支えるような仕事ということも当然考えています」と自身の将来を展望した。
井上は同氏に対して「モチベーションの維持」を質問。さらに「トレーニングに対する壁にあたった瞬間をどう乗り越えたのか」という問いもぶつけた。これに国枝氏は「自分自身のスキルを磨き続けた」と話し、「世界一になると誰の背中も見れなくなってしまうので」とトップとしてのモチベーション維持に同氏も苦労したという。
この答えに“モンスター”も同感したような表情でうなずき、「バンタム級という階級で続けるなら、自分が負けずに続けられるんだろうなという思いがあった。ただ、それにはモチベーションが全然なくなってしまっていた」と本音を吐露。「だからこそ、今年からひと階級上げてベルトも手放して、ベルトを持っているチャンピオンから奪う」と、階級転向の理由を述べた。
チャレンジャーとして迎える井上は「階級を上げることによって1.8キロアップするので、その分、試合当日の安定感が出たり、より自分の中でパワーが出る所がメリットになる。そこを突破口にして戦っていきたい」と、スーパーバンタム級でのファイトスタイルを見据えた。
ひと階級上げた“モンスター”は、一体どれほど進化しているのか。来るべき戦いに、大いに注目していきたい。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
【関連記事】「プロスポーツを引っ張っていく存在に」井上尚弥が初の日本プロスポーツ大賞受賞! 4団体統一の瞬間も回顧「素晴らしい景色」
【関連記事】「私が戦った最高の選手だ」ドネアが井上尚弥の“支配力”に最敬礼。「イノウエに勢いを与えてはいけない」とフルトンに指南
【関連記事】「俺には刺激が必要だ」――フルトンの井上尚弥とのビッグマッチ実現へ向けた発言に米メディアも興味津々「魅力的」
3月2日、2022年度のプロスポーツ界で最も活躍した選手や団体を表彰する「第52回内閣総理大臣杯日本プロスポーツ大賞受賞式典」が行なわれ、昨年12月ボクシングのバンタム級で世界4団体統一王者となった井上尚弥(大橋)が『日本プロスポーツ大賞』を初受賞した。
2018年に『殊勲賞』と『NHK賞』を受賞しているが、大賞は初めて。プレゼンターを務めた岸田文雄内閣総理大臣からも「プロスポーツの世界に歴史に刻み、多くの皆さんの記憶に刻まれる素晴らしい快挙であった」と称賛の言葉が贈られた。
岸田首相から最高の言葉をもらった井上は「すごく光栄に思うし、また今年も活躍が認められるように頑張っていこうかなと。辰吉さん以来ということでプロボクシングに陽があたる」とボクシング界にとって、明るいニュースが届けられたことを何より喜んだ。
また、式典後には『殊勲賞』と『NHK賞』を受賞した車いすテニスの国枝慎吾さんとトークショー。世界の頂点を知るアスリート同士の苦悩が明かされた。
国枝氏は車いすテニスの4大大会で男子世界歴代最多50度の優勝。2004年アテネから21年東京までパラリンピックに5大会連続で出場し、シングルス3個、ダブルス1個の金メダルを獲得した車いすテニス界の世界的なプレーヤー。今年1月22日に現役引退を発表した。
38歳のレジェンドは「現役のテニスをしている最中は他のスポーツをやってケガするなんて絶対にできなかった」と語り、やりたいこともできなかったと振り返る。
国枝氏は、「今はバスケや水泳などにチャレンジしていき、自分に合うもの、何か興味をそそられるもの」を模索している最中だと言い、「その先には車いすテニスの人気というものを支えるような仕事ということも当然考えています」と自身の将来を展望した。
井上は同氏に対して「モチベーションの維持」を質問。さらに「トレーニングに対する壁にあたった瞬間をどう乗り越えたのか」という問いもぶつけた。これに国枝氏は「自分自身のスキルを磨き続けた」と話し、「世界一になると誰の背中も見れなくなってしまうので」とトップとしてのモチベーション維持に同氏も苦労したという。
この答えに“モンスター”も同感したような表情でうなずき、「バンタム級という階級で続けるなら、自分が負けずに続けられるんだろうなという思いがあった。ただ、それにはモチベーションが全然なくなってしまっていた」と本音を吐露。「だからこそ、今年からひと階級上げてベルトも手放して、ベルトを持っているチャンピオンから奪う」と、階級転向の理由を述べた。
チャレンジャーとして迎える井上は「階級を上げることによって1.8キロアップするので、その分、試合当日の安定感が出たり、より自分の中でパワーが出る所がメリットになる。そこを突破口にして戦っていきたい」と、スーパーバンタム級でのファイトスタイルを見据えた。
ひと階級上げた“モンスター”は、一体どれほど進化しているのか。来るべき戦いに、大いに注目していきたい。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
【関連記事】「プロスポーツを引っ張っていく存在に」井上尚弥が初の日本プロスポーツ大賞受賞! 4団体統一の瞬間も回顧「素晴らしい景色」
【関連記事】「私が戦った最高の選手だ」ドネアが井上尚弥の“支配力”に最敬礼。「イノウエに勢いを与えてはいけない」とフルトンに指南
【関連記事】「俺には刺激が必要だ」――フルトンの井上尚弥とのビッグマッチ実現へ向けた発言に米メディアも興味津々「魅力的」