フィギュアスケートの世界選手権２日目はペアフリーが行なわれ、日本のペア三浦璃来＆木原龍一が初優勝を成し遂げた。日本のペアが世界選手権を制したのは史上初。"りくりゅう"が日本フィギュアの歴史を塗り替えた。

　ショート首位で迎えた"りくりゅう"はフリーでも素晴らしい演技を披露した。冒頭のトリプルツイストを決めると、３回転トウループ＋２回転トウループ＋２アクセルを決める。さらにスロー３回転ルッツ、高さのあるリフトで会場を魅了した。

　後半のスロー３回転ループは三浦の着地が乱れてしまったが、会場の大きな手拍子の後押しもあり、二人は最後まで笑顔いっぱいに氷上を滑った。

　フリーは141.44点で２位だったが、ショートの貯金がいき合計は222.16点で優勝。金メダルが決まった瞬間、会場は大歓声に包まれ、二人からは涙がこぼれた。

　優勝インタビューで三浦は「本当に四大陸が終わって悔いがないように練習してきた。フリーで気持ちの弱さがでたので今は悔しいですが、今は嬉しいです」と答えた。木原は「母国開催の世界選手権で優勝できたこと嬉しく思います。足が止まりそうなところを会場の手拍子が後押しになった」と観客の手拍子に感謝した。

　これで今季はグランプリファイナル、四大陸選手権、世界選手権を同一シーズンで全て制す「年間グランドスラム」を達成した。木原は「まさか本当に取れるとは思わなかった。全日本に出れなかったのが、今年は後悔が残るかな」と会場の笑いを誘った。
  　日本のペアは男女シングルに比べ、オリンピックや世界選手権で表彰台からは程遠く、長く"お荷物"とも言われてきた種目。そんななか、三浦と木原は日本ペアの未来のために戦い続けた。今シーズンはグランプリシリーズを２連勝し、勢いそのままグランプリファイナルを初制覇。２月には、四大陸選手権も初優勝し、一気に世界のトップペアと戦える力を証明した。

　ペア結成から４年、ついに"りくりゅう"の努力が実を結んだ。

取材・文●湯川泰佑輝（THE DIGEST編集部）

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