フィギュアスケートの世界選手権2日目は男子ショートが行なわれた。昨年の世界王者・宇野昌磨が今シーズンの世界最高得点を叩き出す104.63点でショートプログラム首位発進となった。演技後は珍しくガッツポーズが飛び出し、日本史上初の連覇へ好スタートを切った。
世界王者としてのプライドと気迫を感じたショートプログラムだった。冒頭の4回転フリップを流れるように決めると、2本目はコンビネーションの4回転ジャンプ。これも降りると、リンクサイドで見守っていたコーチのステファン・ランビエール氏も大きく拍手し、飛び跳ねて喜んだ。
後半のトリプルアクセルも美しく決めた。22日に負傷した右足の不安を微塵も感じさせない完璧な内容で演技を終えると、宇野は感情が爆発したように右手でガッツポーズが2回飛び出た。「完璧なショートではなかったですけど、感情をぶつけたような。こみ上げる気持ちがありました」と25歳は振り返り、「出し切ったと思える演技だった」と強調した。
”4回転ジャンプの申し子”と称される19歳のイリア・マリニン(アメリカ)が完璧な演技を見せてショート首位に立つなか、宇野は不安と戦っていた。
「右足をひねった時はやばいと思った」と演技後に明かしたほど、ショート前日に襲った右足首負傷のアクシデントは世界王者に大きな試練を与えた。当日の公式練習でも慎重に且つ入念にジャンプに入る軌道を確認していたほどだ。
それでも宇野は、「今の自分に何ができるのか?」を考え、演技に集中。見事に、不安に打ち勝ち、結果を出したことで、演技後の渾身ガッツポーズにつながった。
「演技中は右足の痛みは考えてなかった」と言うほど、ゾーンに入っていた。「こういう状況のなかでも、今日のショートは1年間やってきたものを見せられたと思う」と語った宇野の表情は、ひと皮むけたような王者の風格が漂っていた。
現世界王者は「やり残してしまったことを明日の練習でどうするのかを考えていきたい」と述べ、すべてが決まる25日のフリーを見据えた。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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世界王者としてのプライドと気迫を感じたショートプログラムだった。冒頭の4回転フリップを流れるように決めると、2本目はコンビネーションの4回転ジャンプ。これも降りると、リンクサイドで見守っていたコーチのステファン・ランビエール氏も大きく拍手し、飛び跳ねて喜んだ。
後半のトリプルアクセルも美しく決めた。22日に負傷した右足の不安を微塵も感じさせない完璧な内容で演技を終えると、宇野は感情が爆発したように右手でガッツポーズが2回飛び出た。「完璧なショートではなかったですけど、感情をぶつけたような。こみ上げる気持ちがありました」と25歳は振り返り、「出し切ったと思える演技だった」と強調した。
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それでも宇野は、「今の自分に何ができるのか?」を考え、演技に集中。見事に、不安に打ち勝ち、結果を出したことで、演技後の渾身ガッツポーズにつながった。
「演技中は右足の痛みは考えてなかった」と言うほど、ゾーンに入っていた。「こういう状況のなかでも、今日のショートは1年間やってきたものを見せられたと思う」と語った宇野の表情は、ひと皮むけたような王者の風格が漂っていた。
現世界王者は「やり残してしまったことを明日の練習でどうするのかを考えていきたい」と述べ、すべてが決まる25日のフリーを見据えた。
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