大会３日目を迎えたフィギュアスケートの世界選手権は24日、女子フリーが行なわれ、日本の坂本花織が２連覇を達成した。世界選手権の連覇は日本女子史上初の快挙で、日本フィギュアの歴史に新たなページが刻まれた。

　昨年の世界女王は最終滑走で登場した。いつものように中野園子コーチに激励を背中で受けると、リンクの中央へ。日本史上初の世界選手権２連覇を懸けたフリーが始まった。

　坂本は流れるように冒頭の２アクセルを決めると、続く３回転ルッツ、３回転サルコウを美しく降りた。スピードあるパワフルな演技で勢いに乗ったかに見えたが、最大の得点源である後半の３回転フリップ＋３回転トウループのフリップがまさかの１回転に。世界女王は意地で３回転トウループをつけてコンビネーションにすると観客は大きな拍手で後押しした。

　唯一のジャンプミスに坂本は思わず顔を覆い頭を抱えた。得点を待つ間のキスクラでは悔し涙を見せたが、さいたまスーパーアリーナは割れんばかりの声援で世界女王を勇気づけた。得点はフリー145.37点、合計224.61点で２連覇が決まると、坂本の目から再び涙が溢れた。
  　坂本は優勝インタビューで「４年前と同じさいたまスーパーアリーナでリベンジを誓ったんですけど、また同じミスをしてしまった」と嘆いたが、大きな歓声を送った観客に「日本開催でこんなにも大きな声援が力になった」と感謝した。

　女子シングルの歴史上初めて、世界選手権で日の丸が２年連続で中央に掲げられた。来月で23歳になる世界女王は、日本女子フィギュアに大きな金字塔を打ち立てた。

取材・文●湯川泰佑輝（THE DIGEST編集部）

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