バレーボール

「絶好調の極み!」大活躍の石川祐希を元伊代表の解説者も激賞! 最大の強敵からミラノが再び金星、プレーオフ5戦目へ持ち込む!

佳子S.バディアーリ

2023.04.04

ペルージャ戦でチーム2番目の得点を挙げ、勝利に貢献した石川。準決勝進出は5戦目に委ねられた。(C) La Pallavolo Serie A

 現地時間4月2日、バレーボールのイタリアリーグセリエAで2022-23シーズンのプレーオフ準々決勝第4戦が行われ、男子日本代表の石川祐希が所属するパワーバレー・ミラノがシル セーフティ・ペルージャとホームで対戦。セットカウント3-2(25-15、19-25、14-25、28-26、15-13)で首位を相手に2勝目を挙げて対戦成績をタイに持ち込み、準決勝進出の望みを第5戦へ繋いだ。

【動画】石川祐希が攻守に躍動! ミラノが再び大金星
 3戦先勝(5試合制)したチームが準決勝へ駒を進めるこのシリーズ。8位ミラノは首位ペルージャとの対戦成績を1勝2敗として第4戦を迎えた。アウェーで初戦を落とした後、今シーズンのリーグ戦で無敗だった強豪をフルセットで下し2戦目を奪い返すも、第3戦は1セット先行から再び敵地で黒星を喫した。準決勝進出のチャンスは、このホーム戦の勝利が絶対条件。2勝2敗として第5戦へ持ち込む以外に可能性は残されていない。

 チームを支えるパフォーマンスを続けているのは、直近の試合でシーズン通算アタック300得点をマークした石川だ。ミラノは4,696人の観客で埋め尽くされた本拠地で、誰もが認める大黒柱に正念場の一戦を託した。

 第1セット、石川のサーブで3連続ブレークを奪いリズムを掴んだミラノは、完璧な攻守で相手を圧倒。ペルージャは低調な大砲ウィルフレド・レオン(ポーランド)をベンチに下げるがブレークは3回に終わり、ミラノがわずか23分でセットを先取した。

 しかし、ここから形勢が一転。ローテーションを変えて巻き返しを図るペルージャに2セット目序盤から苦しい展開を強いられる。ブロック2本を含む5得点を挙げた石川の奮闘むなしくこのセットを失うと、第3セットでは、1セット目に好調だったサーブの確率が急降下。2セットを連取され後がなくなった。

 ミラノは第4セット序盤に石川がサーブで相手守備を揺さぶり、レオンが放った強打を自らディグでラリーへ持ち込むなどして2連続ブレーク。だが、僅かにリードを守って迎えた終盤、サーブミスなどで接戦へ持ち込まれてしまう。その窮地に奮起したのは石川。ブロックが落ちるのを見極めた技ありのフェイントやキレ味抜群のバックアタックで逆転を許さず、レフトからのクロスで4度目のセットポイントをモノにして試合を振り出しへ戻した。

 突入した最終セット、いきなりレオンの3連続エースがミラノを襲う。劣勢のままコートチェンジを迎えるも終盤に入り、後方からの難しい2段トスを相手ブロックに吸い込ませた石川の攻撃などで追い上げに成功。ところが、12-12で頼りの石川がブロックの着地時に相手選手とネット下で接触し転倒。脚の筋肉の痙攣によりコートを後にすることとなった。コッパ・イタリア準決勝では、石川の負傷離脱で流れを手放したミラノだったが、この試合では集中をキープ。ベンチは石川に替えマルコ・ヴィテッリ(イタリア)を起用してアグスティン・ロセル(アルゼンチン)とのミドルブロッカー2枚を前衛に配置。13-13でレオンのサーブを迎えると、この変則布陣が当たる。ブロックで守備を助けたヴィテッロが素早く移動して中央から叩き込みマッチポイント。これをロセルがブロックで仕留め、熾烈な戦いを制したミラノがペルージャから2勝目を奪い取り、準決勝進出へ望みをつないだ。
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「苦しい場面もたくさんあったが、全員で乗り越えた」