5月1日から始まるバレーボールの「黒鷲旗 全日本男女選抜大会(黒鷲旗)」(丸善インテックアリーナ大阪)が、存続の危機を迎えていることが25日までにわかった。関係者によると、Vリーグ機構が2024-25年シーズンから発足させる新しいリーグの日程が、黒鷲旗と重複するため。主要なVリーグチームは黒鷲旗への不参加に同意していると言われ、現状の形態での開催は難しくなっている。日本バレーボール協会(JVA)の川合俊一会長は「歴史ある大会。バレー界にとっていい方向になるようにしたい」としている。
新しいVリーグは、「世界最高峰のリーグを目指すSVリーグ」と、「地域共生を重視する新Vリーグ」の2つのリーグで、「V.LEAGUE REBORN~2024-25シーズンからの改革~」として26日に発表される。
SVリーグは、2024年10月12日に開幕し、ファイナルと呼ばれる決勝は2025年5月3、4日に予定されているため、現在、5月の大型連休中に組まれている黒鷲旗と日程が重なることになった。
黒鷲旗は、1952年に毎日新聞社の創刊70周年を記念して創設された「全日本都市対抗バレーボール優勝大会」が発祥の歴史ある大会。Vリーグチームのほか、大学、高校チームも参加するのが特徴で、今年で71回目を迎える歴史と伝統のある大会だ。
V機構がリーグ戦の決勝を、従来の4月から黒鷲旗と重複する日程を組んだのは、タイトな日程を緩和するとともに、大型連休という集客力が見込める日に試合を行いたいためと見られる。
従来の日程では、コロナ禍などによる試合の延期などに対応できず中止を余儀なくされることもあった。このため、不測の事態に備えて余裕を持たせた日程にもなっている。
バレー関係者によると、今後の黒鷲旗について「開催時期の変更、V主要チーム不在で現行の日程でも開催、大会の休止・廃止―の3つの選択肢がある」という。
開催時期の変更は、すでに高校、大学、実業団で既存の大会が多く予定されており、国際大会の期間が5月中旬~10月中旬とされていることもネックになる。主要チーム不在で集客を望むのは難しいのが現状だ。
JVAの川合会長は「私自身、現役時代に2度優勝した、思い入れのある大会。まだ、具体案はないがVリーグとコラボレーションする形など、(共催の)毎日新聞社も含め3者で協議して、バレー界にとっていい方向になるようにしたい」と話している。
一方、黒鷲旗の存廃は、当時の経理担当理事の協会経費着服で会長、理事長らが辞任した大阪府バレーボール協会(OVA)に与える影響も大きい。
OVAの元理事によると、大阪協会の年間会計規模のうち、黒鷲旗の収益は1/3以上にあたるという。この収益がなくなれば、法人化を目指すOVAの運営の在り方を根本的に修正する必要も出て来る。
早急に三者による議論が待たれる。
取材・文●北野正樹
【著者プロフィール】
きたの・まさき/2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。関西運動記者クラブ会友。
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SVリーグは、2024年10月12日に開幕し、ファイナルと呼ばれる決勝は2025年5月3、4日に予定されているため、現在、5月の大型連休中に組まれている黒鷲旗と日程が重なることになった。
黒鷲旗は、1952年に毎日新聞社の創刊70周年を記念して創設された「全日本都市対抗バレーボール優勝大会」が発祥の歴史ある大会。Vリーグチームのほか、大学、高校チームも参加するのが特徴で、今年で71回目を迎える歴史と伝統のある大会だ。
V機構がリーグ戦の決勝を、従来の4月から黒鷲旗と重複する日程を組んだのは、タイトな日程を緩和するとともに、大型連休という集客力が見込める日に試合を行いたいためと見られる。
従来の日程では、コロナ禍などによる試合の延期などに対応できず中止を余儀なくされることもあった。このため、不測の事態に備えて余裕を持たせた日程にもなっている。
バレー関係者によると、今後の黒鷲旗について「開催時期の変更、V主要チーム不在で現行の日程でも開催、大会の休止・廃止―の3つの選択肢がある」という。
開催時期の変更は、すでに高校、大学、実業団で既存の大会が多く予定されており、国際大会の期間が5月中旬~10月中旬とされていることもネックになる。主要チーム不在で集客を望むのは難しいのが現状だ。
JVAの川合会長は「私自身、現役時代に2度優勝した、思い入れのある大会。まだ、具体案はないがVリーグとコラボレーションする形など、(共催の)毎日新聞社も含め3者で協議して、バレー界にとっていい方向になるようにしたい」と話している。
一方、黒鷲旗の存廃は、当時の経理担当理事の協会経費着服で会長、理事長らが辞任した大阪府バレーボール協会(OVA)に与える影響も大きい。
OVAの元理事によると、大阪協会の年間会計規模のうち、黒鷲旗の収益は1/3以上にあたるという。この収益がなくなれば、法人化を目指すOVAの運営の在り方を根本的に修正する必要も出て来る。
早急に三者による議論が待たれる。
取材・文●北野正樹
【著者プロフィール】
きたの・まさき/2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。関西運動記者クラブ会友。
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