バレーボール界屈指のリーグ、イタリア・セリエAで、念願の４強入りを達成した男子日本代表の石川祐希。その突出した活躍と存在感に現地で感嘆と称賛の声が続いている。

【動画】石川祐希がゲーム２位の18得点！ MVPの活躍
　石川が所属するパワーバレー・ミラノは、開催中の同リーグ2022-23シーズン・プレーオフの準々決勝で、強豪ペルージャを３勝２敗で退け、準決勝進出を決めた。レギュラーシーズンで８位のミラノが、無敗を続け首位を独走した優勝候補のペルージャを５位決定戦へと追いやった番狂わせは、バレーボール大国に衝撃を与えた。

　快挙の中心人物としてスポットライトを浴びているのは、昨シーズンに西田有志（現ジェイテクトSTINGS）と高橋藍（パドヴァ）が参戦するまで、唯一の日本人選手として奮闘してきた石川だ。ペルージャとの激闘に勝利で終止符を打った第５戦でMVP（マン・オブ・ザ・マッチ）に輝いた192cmのアウトサイドヒッターを称賛する声は、決戦から数日たった今も止まない。

　第５戦を生中継した同国国営放送の名物実況マウリツィオ・コラントーニ氏と解説を務めた元同国代表のファビオ・ヴッロ氏が、ミラノのロベルト・ピアッツァ監督にインタビュー。放映中のカメラの前で、「“ユウキ・イシカワ”は今シーズン、とてつもなく成長しているが、それは単に成熟したということか？」と質問を投げかけた。

　同監督は、「ユウキはチームの指標へと成長した。それは、プレーだけではなくエモーションの部分においてもだ。主将のマッテオ・ピアノ（イタリア）とともに、コート上でチームの結束を揺るぎないものにしてくれている。日本代表の主将としての手腕をミラノでも発揮してくれている」と答えた。

　冒頭では、「チームはレギュラーシーズン前半戦にまとわりついていた不安な気持ちを徐々に取り除き、後半戦のある機会（コッパ・イタリア準々決勝で昨シーズン王者のチヴィタノーヴァに勝利）を境に、自信を取り戻すことができた」とコメント。今シーズンは故障により離脱が続いたピアノ選手に代わり、石川がコート上でチームを統率。指揮官が準決勝進出を、「チームの力で掴んだ勝利」と評した裏には、ハイレベルなプレーを維持しながら、時に感情を爆発させる姿でチームを支えた“ユウキ”の存在があった。