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「止めたのは好判断」名騎手・安藤勝己がタイトルホルダーの”競走中止”に独自見解。SNS上は賛否両論「馬券購入者に失礼」【天皇賞・春】

THE DIGEST編集部

2023.05.01

圧倒的な1番人気の支持を受けたタイトルホルダーだったが、競争中止でレースを終えた。写真:産経新聞社

圧倒的な1番人気の支持を受けたタイトルホルダーだったが、競争中止でレースを終えた。写真:産経新聞社

 4月30日、新装となった京都競馬場で3年ぶりに開催された春の天皇賞。結果は2番人気のジャスティンパレス(牡4歳、栗東・杉山晴紀)が中団から徐々に上がり、最後の直線に入ると、5番人気のディープボンド(牡6歳、栗東・大久保龍志)を交わし、一気にゴールまで駆け抜け、6度目のGⅠ挑戦で悲願の初制覇を飾った。

 ジャスティンパレスの勝ちタイムは3分16秒1。2馬身半差の2着にディープボンド、1馬身差の3着に6番人気のシルヴァーソニック(牡7歳、栗東・池江泰寿)が入った。

 一方、2連覇が期待されたGⅠホースは”異変”が起こった。単勝オッズ1.7倍の圧倒的1番人気に支持されたタイトルホルダー(牡5歳、美浦・栗田徹)である。同馬は勢い良く飛び出し、ハナを奪い先頭に立つ。前走の日経賞(GⅡ)を8馬身差の大差で飾った逃げ脚”は健在で、1周目、京都競馬場に詰めかけた観客の前を通過した時には大声援を浴び、2連覇へ期待が膨らんだ。

 だが、淀の向正面を過ぎてもスピードが上がらない。迎えた2周目4コーナー付近で早々と手応えが怪しくなったタイトルホルダーは、ズルズルと後退。観客からは悲鳴が上がり、最後は横山和生騎手が下馬し、まさかの競走中止となった。

 1番人気馬のアクシデントに、京都競馬場に詰めかけた観客は一時騒然。昨年の”春の盾”を掴んだGⅠホースが馬運車に乗ってコースを後にするショッキングなレースになってしまった。レース後、検査結果が「右前肢ハ行」とJRAが発表。幸い、タイトルホルダーの命に別状はなかった。
 
 日本競馬において、屈指の伝統と格式を誇る「天皇賞・春」。数々の名勝負が繰り広げられてきた淀の舞台で起きたアクシデントに、幾多の名馬をエスコートしてきた名騎手も黙らずにはいられなかった。中央と地方で通算4464勝の元ジョッキーで、”アンカツ”の愛称で親しまれる安藤勝己氏だ。

 同氏はレース後に、公式ツイッターを更新。この日、自身が出演したカンテレ『競馬BEAT』でスタート前のタイトルホルダーに不安を抱いたコメントをしたことをふまえ、「解説でも言わせてもらったけど、タイトルホルダーはいつも以上のピッチ走法で硬い返し馬に見えたし、和生のほぐしが入念すぎた。平場だったら除外させてたかもしれん」と指摘。レース直前、同氏はすでにタイトルホルダーの”異変”を事前に察知していた。

 安藤氏は続けて、「GⅠで1倍台の人気を背負っとって複雑な心境でスタートさせたんやないかな。最後の直線手前で追わずに止めたことを好判断と思いたい」と綴り、横山騎手が無理に手綱をしごかず、冷静に競争中止を決断した判断を好評価した。

 安藤氏の見解には競馬ファンを中心に多くの反響が寄せられている。SNS上では「タイトルホルダーが無事で良かった!」「冷静に見抜けるアンカツさん、さすがです」「アンカツがレース前に気付いて指摘していた事が当たるとは…流石やな」など、安藤氏の眼力に感服する声が続々と挙がった。

 一方で一部のファンからは「ちょっとでも異変に気付いていたら除外させるべき」「馬のことを考えるなら除外させるのが一番」「不安あるなら出すなって。馬が可哀想だし、馬券購入者にも失礼だろ」「除外になって返還ならJRA側にとってはデメリットしかないし、意地でもスタートさせたかったんだろ」「これは物議を醸しそう」など、陣営や主催のJRAに不信感を抱くような声もあった。

 すべての馬が何の異常もない状態で、無事にレースを終えることが一番である競馬。物言わぬ馬の場合、管理する人間の責任と出走させるか否かの決断力が問われる。

構成●THE DIGEST編集部

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