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ラグビー

エディー・ジョーンズの言葉から始まった「原点回帰の旅」。東京SGを牽引する齋藤直人が探し続けた“正しい道”

向風見也

2023.05.12

東京SGのスクラムハーフ齋藤直人。14日のプレーオフ準決勝・S東京ベイ戦では注目のプレーヤーだ。写真:つのだよしお/アフロ

東京SGのスクラムハーフ齋藤直人。14日のプレーオフ準決勝・S東京ベイ戦では注目のプレーヤーだ。写真:つのだよしお/アフロ

 齋藤直人は、口よりも先に身体を動かすリーダーだ。

 所属する東京サントリーサンゴリアスでの先輩選手の評価は。

【動画】斎藤直人のテンポを上げるスピーディーなプレー
「最後まで練習して、グラウンドを引き上げてからもウェイトトレーニングをして、リカバリーも人一倍。休みの日もクラブハウスに来る。発言より、行動で示す」

 桐蔭学園高校、早稲田大学のラグビー部で主将を歴任の25歳は、今季からサンゴリアスでも共同主将を担う。2学年上の堀越康介とともに、組織の先頭に立つ。昨年12月中旬に開幕の国内リーグワン1部を戦う。

「最初の悩みは『(選手の前で)何をしゃべろうか』。夜、寝る前、朝、起きた時、憂鬱だったんですけど、いまはあまりそういうことがないです。最初の方に比べると言いたいことも言えるようになった」

 これといった転機があったわけではないという。日々、自分自身と、自分の役目と向き合うことで、ひとつずつ階段を登る。

 ひとりの選手としてもそれは然りだ。

 スクラムハーフのポジションを務める。ぶつかり合いの局面を追いかけて回り、味方にパスをさばいたり、ディフェンスの背後へ長短のキックを蹴ったりする攻めの起点だ。

 1月22日、敵地の大阪で花園近鉄ライナーズとの第5節に先発した。連続攻撃の途中、相手の防御がその場から離れないのが目についた。

 タックルした選手がその場に寝たままでいるのは反則だ。齋藤はその旨をアピールしたが、かえって自軍の攻めを鈍らせてしまった。

 その日は、8点リードで迎えたハーフタイムで交替した。試合は51―10で勝ったが、齋藤は悔いを残した。

 週が明けると、齋藤はエディー・ジョーンズと顔を合わせた。

 このほどオーストラリア代表の指揮官に2度目の就任を果たした名将は、ちょうどサンゴリアスのディレクター・オブ・ラグビーとして来日中だった。

 ジョーンズは、現フランス代表スクラムハーフのアントワーヌ・デュポンを引き合いに出したようだ。齋藤の述懐。

「試合中に1回か2回、スクラムハーフがテンポを変えられる瞬間がある。それを見逃さないのがデュポンだ……と。もともとデュポンの動きは見ていたのですが、改めて(確認するようになった)」
 
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