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絶対的な存在ではない!? 桜の女王・リバティアイランドの“二冠”が最有力も不安視させるデータとは?【オークス】

三好達彦

2023.05.20

強烈な末脚で桜花賞を制したリバティアイランド。二冠へ期待がかかる。写真:産経新聞社

強烈な末脚で桜花賞を制したリバティアイランド。二冠へ期待がかかる。写真:産経新聞社

 5月21日、牝馬クラシック二冠目のオークス(GⅠ、東京・芝2400m)が行なわれる。土曜の朝まで雨が降ったが、東京競馬場の馬場状態は「良」。レース当日の降雨確率が極めて低いうえ、予想最高気温が27℃とかなり高くなっており、理想的な良馬場で大一番を迎えられそうだ。

 今年のオークスの主役は、言うまでもなくリバティアイランド(牝3歳/栗東・中内田充正厩舎)だ。まず、彼女が桜花賞で見せたパフォーマンスは凄まじいものだった。ゲートでやや出負けしたこともあって最後方から追走する展開になった。

 1000mの通過ラップが57秒6というハイペースの助けがあったのは確かだが、直線に向いて絶望的な位置にありながら、そこから大外一気の豪脚を繰り出し、15頭を飲み込んで快勝。上がり3ハロンは32秒9で、2番目に速かったキタウイング(牝3歳/美浦・小島茂之厩舎)の33秒6を0秒7も上回っていたのだから驚くしかない。

 レース後はいったん放牧に出された。トレセンに戻ってからは、1週前追い切りは軽かったものの、最終追い切りではウッドコースの3頭併せで68秒0→36秒7→10秒8という好時計を迫力あるフットワークで叩き出し、桜花賞のときよりも一段とパワーアップした姿を披露した。
 
 こうして見ていくと、リバティアイランドの”一強”は盤石なものと言えるだろうし、単勝オッズ1倍台という極めて高い支持も頷ける(土曜の午前現在)。ただし、筆者にはひとつ引っかかる要素がある。中内田厩舎の重賞での成績において、勝ち鞍が1400mから2000mに集中しており(特に1600mは17勝を挙げている)、逆に2200m以上となると1勝も挙げていないという不安データだ。

 直近のGⅠで言うと、2018年にクラシックを戦ったダノンプレミアムを覚えている方も多いだろう。弥生賞まで4戦4勝と無敗で来て、日本ダービー(GⅠ)で単勝オッズ2.1倍の1番人気に推されたが、先行して粘ったものの、ワグネリアンの差し切りに屈して6着に敗れている。

 もちろん馬は1頭ずつ別個の生き物なので、すべてを同じフィルターを通して語れないことは承知している。しかし、だ。それでも先述のデータは無視できないし、リバティアイランドの切れすぎる末脚はマイラー特有のものではないか、という疑念も筆者は持っている。ゆえに、リバティアイランドが主役であることは認めながらも、絶対的な存在だとは言えないと思う。
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