2023年の中央競馬、上半期の締めくくりとなる宝塚記念(GⅠ、阪神・芝2200m)が6月25日に開催される。
今春は週末になると天候が崩れることが多く、馬場状態に気を遣うケースが多かったが、幸いにして今週末の天気予報は快晴とされ、陽光あふれるなかでビッグレースを迎えられそうである。予想最高気温30℃という高温が馬たちに影響を与えないかが、かえって気がかりになるほどだ。
さて、今年の出走馬のなかで断然の主役と言えるのがイクイノックス(牡4歳/美浦・木村哲也厩舎)であるのは衆目の一致するところ。24日未明の前売りでは、単勝オッズ1.4倍の1番人気となっているが、これも当然と言えるだろう。
昨秋、天皇賞(GⅠ)で古馬の一線級を蹴散らして頂点に立つと、続く有馬記念(GⅠ)では2着を2馬身半差も引き離して圧勝。当年のJRA賞年度代表馬に選出され、名実ともに日本のトップ・オブ・トップとなった。
そして、今年初戦には3月末に行なわれたドバイシーマクラシック(UAE・GⅠ)を選択。レースでは意表を突いて先頭に立ち、終始主導権を握ったまま直線へ向くと、あとは完全な一人旅。2着を3馬身半差も突き放すハイパフォーマンスを披露した。そのことが評価され、世界の競走馬を対象とするロンジンワールドベストホースランキングにおいて、イクイノックスは129ポンドという最高値を獲得。事実上、「現役最強馬」として世界一の称号を得た。
イクイノックスは帰国後、放牧休養を経て美浦の自厩舎ではなく、栗東トレーニングセンターに僚馬のジオグリフ(牡4歳/美浦・木村哲也厩舎)とともに入厩して調整を重ねてきた。
実は、ここに大きなポイントがある。これまで、阪神競馬場へ遠征する関東馬をしばしば悩ませてきたのが、交通量が少なくない沿道から届く騒音で、イラついて力を出し切れなかった馬が何頭もいるのだ。例えば、天皇賞・秋やマイルチャンピオンシップ2連覇など、GⅠ5勝のダイワメジャーは宝塚記念に2度出走し、馬券圏内にも入れない敗北(06年=4着、07年=12着)を喫している。このとき管理する上原博之調教師に取材して、第一の敗因を「出張厩舎での騒音」を挙げていた。
また、2017年に本レースを制したサトノクラウンは、前年の宝塚記念(6着)、翌年4月の大阪杯(6着)と阪神で連敗している。その反省を生かし、管理する堀宣行調教師も出張馬房に届く騒音を避けるため、道路から一番遠い位置にある馬房を指定して入厩させ、見事タイトル制覇に結びつけている。
今回、木村調教師が栗東へ入厩しての調整という手段を選択したのは、この問題と密接したある狙いも存在すると見ている。つまり、栗東トレーニングセンターからならば、当日輸送でそのままレースに使えるため、先述した騒音を気にする必要がなくなるのだ。
もちろん、ドバイ遠征でも環境に適応して力を出し切ったイクイノックスだからこそできた選択ではあるだろうが、前記の違いはやはり大きいのではないか。「現役世界一」の評価を受けた馬が万全の体勢を整え、追い切りの動きも抜群となれば、もはやイクイノックスを疑う余地はない。ここは、1着固定の連勝系馬券で攻めるのみだろう。
今春は週末になると天候が崩れることが多く、馬場状態に気を遣うケースが多かったが、幸いにして今週末の天気予報は快晴とされ、陽光あふれるなかでビッグレースを迎えられそうである。予想最高気温30℃という高温が馬たちに影響を与えないかが、かえって気がかりになるほどだ。
さて、今年の出走馬のなかで断然の主役と言えるのがイクイノックス(牡4歳/美浦・木村哲也厩舎)であるのは衆目の一致するところ。24日未明の前売りでは、単勝オッズ1.4倍の1番人気となっているが、これも当然と言えるだろう。
昨秋、天皇賞(GⅠ)で古馬の一線級を蹴散らして頂点に立つと、続く有馬記念(GⅠ)では2着を2馬身半差も引き離して圧勝。当年のJRA賞年度代表馬に選出され、名実ともに日本のトップ・オブ・トップとなった。
そして、今年初戦には3月末に行なわれたドバイシーマクラシック(UAE・GⅠ)を選択。レースでは意表を突いて先頭に立ち、終始主導権を握ったまま直線へ向くと、あとは完全な一人旅。2着を3馬身半差も突き放すハイパフォーマンスを披露した。そのことが評価され、世界の競走馬を対象とするロンジンワールドベストホースランキングにおいて、イクイノックスは129ポンドという最高値を獲得。事実上、「現役最強馬」として世界一の称号を得た。
イクイノックスは帰国後、放牧休養を経て美浦の自厩舎ではなく、栗東トレーニングセンターに僚馬のジオグリフ(牡4歳/美浦・木村哲也厩舎)とともに入厩して調整を重ねてきた。
実は、ここに大きなポイントがある。これまで、阪神競馬場へ遠征する関東馬をしばしば悩ませてきたのが、交通量が少なくない沿道から届く騒音で、イラついて力を出し切れなかった馬が何頭もいるのだ。例えば、天皇賞・秋やマイルチャンピオンシップ2連覇など、GⅠ5勝のダイワメジャーは宝塚記念に2度出走し、馬券圏内にも入れない敗北(06年=4着、07年=12着)を喫している。このとき管理する上原博之調教師に取材して、第一の敗因を「出張厩舎での騒音」を挙げていた。
また、2017年に本レースを制したサトノクラウンは、前年の宝塚記念(6着)、翌年4月の大阪杯(6着)と阪神で連敗している。その反省を生かし、管理する堀宣行調教師も出張馬房に届く騒音を避けるため、道路から一番遠い位置にある馬房を指定して入厩させ、見事タイトル制覇に結びつけている。
今回、木村調教師が栗東へ入厩しての調整という手段を選択したのは、この問題と密接したある狙いも存在すると見ている。つまり、栗東トレーニングセンターからならば、当日輸送でそのままレースに使えるため、先述した騒音を気にする必要がなくなるのだ。
もちろん、ドバイ遠征でも環境に適応して力を出し切ったイクイノックスだからこそできた選択ではあるだろうが、前記の違いはやはり大きいのではないか。「現役世界一」の評価を受けた馬が万全の体勢を整え、追い切りの動きも抜群となれば、もはやイクイノックスを疑う余地はない。ここは、1着固定の連勝系馬券で攻めるのみだろう。