中央競馬、上半期の総決算となる宝塚記念（ＧⅠ、阪神・芝2200ｍ）が６月25日に行なわれ、ＧⅠレース３連勝中で一本被りの大本命となったイクイノックス（牡４歳／美浦・木村哲也厩舎）が優勝。ＧⅠ連勝記録を「４」に伸ばすとともに、世界ランキング１位の貫録を示した。

　２着には馬群から鋭く伸びて、同タイムのクビ差まで迫ったスルーセブンシーズ（牝５歳／美浦・尾関知人厩舎）が入った。10番人気が大健闘を見せた一方で、天皇賞・春（ＧⅠ）を勝ち、２番人気の支持を受けたジャスティンパレス（牡４歳／栗東・杉山晴紀厩舎）は３着に終わった。

　また、３番人気の良血ジェラルディーナ（牝５歳／栗東・斉藤崇史厩舎）は４着。５番人気のディープボンド（牡６歳／栗東・大久保龍志厩舎）は５着に、それぞれ敗れた。

　レース後の記者会見で木村調教師は、ダントツの１番人気のなかで掴み取ったタイトルについて「勝ててホッとしました。（プレシャーが大きかったことは）否定できません。厳しかったです」と安堵した表情で振り返った。

　続けて、「乱暴な言い方ですが、レース内容はどうでもよくて、とにかくファンの期待に応えることが重要だと。勝つことがこの馬にとっては、非常に重要なことだと思っていますから」と語った。まさに、心身をこの１勝に懸けた渾身の仕上げだった。
  　イクイノックスは前走、３月のドバイシーマクラシック（ＧⅠ）を圧勝して帰国。その後は宝塚記念を目標に据え、さまざまな工夫を凝らしてきた。本拠地の美浦トレーニングセンターで普段使っている坂路が改修工事に入って使用できなかったことに加え、今回は初めての関西遠征となることも考慮し、早めに栗東トレーニングセンターへ入厩して調整に努めた。

　幸いにして、日ごとに環境に慣れたイクイノックスは調子を上げるようになり、最終追い切りでは３頭併せの真ん中から力強く抜け出す抜群の動きを見せた。

　当日発表された馬体重は492㎏。前走のドバイ遠征では計量システムが用いられていないので不明だが、あくまで一つの目安として、前年の有馬記念と同じ体重にもってきたことが調整の順調さを物語っていた。