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絶対王者の地力に感服!“現役ナンバー1”イクイノックスを沈着冷静にエスコートしたルメール騎手の手綱さばきにも拍手!【宝塚記念】

三好達彦

2023.06.27

 レース当日、イクイノックスの単勝オッズは1.3倍を示していた。説明するまでもなく、圧倒的な1番人気である。ゆえに、レースはかなり難しいものになった。

 5番枠から出たイクイノックスは前目の位置を取ろうとしたが、前がポジション争いで混乱していたため無理せず位置を下げ、16番手で第1コーナーを回ることになる。芝は「良」発表ではあるものの、使い込んできた馬場はかなり傷んでいた。そのためか、先行有利のバイアスが見られたこの日の阪神コースにおいては、それだけでもかなりの不利だった。

 1000mの通過ラップは58秒9。GⅠレースとしてはさして速いペースではなかったが、意外と息が入らない流れになる。イクイノックスは向正面の半ばから馬群の外を通って徐々に位置を押し上げ、9番手付近まで上がったところでひと息入れるが、第3コーナー過ぎから大外をまくって一気に進出。勝負の直線に入った。

 ジャスティンパレスと同じような位置から追い出されたイクイノックスはライバルを突き放すと、さらにギアを上げて一気に先団馬群を飲み込んで先頭に立つ。そこへ内の馬群のなかから伸びてきたスルーセブンシーズが驚異的な末脚の切れで迫ってきたが、そこは王者の地力か。スルーセブンシーズをクビ差抑えて、トップでGⅠレース4連勝となる歓喜のゴールを迎えた。
 
 イクイノックスを勝利に導いたクリストフ・ルメール騎手は「スタートは良かったけれど、ごちゃついていいポジションが取れなかった」と説明しながら、こう言葉を締めた。

「内側は馬場の状態が良くないので、安全に乗りたいと思って大外から早めに動きました。馬はリラックスしていたので心配はしていませんでしたが、世界で一番強い馬でも勝つのは難しいこと。それでも勝つことができて良かったし、安心しました」

 大きな距離のロスを考えても、安全な大外を通らざるを得ない苦しさ。ビッグレースで圧倒的な支持を受ける馬に乗る者だけが分かる心の機微だろう。その苦しさを乗り越えて、偉業を成したルメール騎手に賛辞を送りたい。
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