F１第10戦のオーストリア・グランプリは、アルファタウリの角田裕毅にとって非常に厳しいものとなった。

　スプリントが実施される週末、初日に行なわれた予選では僅差でQ２進出を逃して16番手に終わり、スプリントは13番手からのスタートで、３つポジションを落としてフィニッシュ。そして決勝では、オープニングラップのターン１でエステバン・オコン（アルピーヌ）と接触してフロントウイングを破損、さらにターン４で曲がり切れずにコースアウトするという最悪のスタートを切った。
  　以降も苦しいドライビングを強いられる中、たびたびトラックリミット違反を犯してタイムペナルティーを科され、18番目にチェッカーフラッグを受けたが、さらに未消化分のペナルティーがあったとして５秒が加算された結果、完走19台の中では最下位に沈むこととなった。

　シーズン序盤は、結果が出なくてもその安定したパフォーマンスには常に賛辞が贈られていた角田だが、今回は各国メディアの評価は軒並み厳しいものとなった。英国のF１専門サイト『PLANETF1.COM』は10点満点の採点で単独最低の「４」を与え、寸評もネガティブな内容に終始している。

「角田にとって波乱万丈の午後となり、良い出来事はほとんどなかった。彼は危険を冒してターン１に進入し、エステバン・オコン（アルピーヌ）に接触するという恐ろしいスタートを切り、フロントウイングの交換が必要なほどのダメージを負うという代償を支払わされた（後略）」

『CRASH』の最低はさらに低い「３」で、こちらも単独最低。「オーストリアGPは、角田にとって今季最悪の週末となった。 決勝のスタートでは攻撃的にいきすぎ、車にダメージを負ってしまった。そして、トラックリミット違反で複数のペナルティーを受けることとなった」と、彼にとっての失意のレースを振り返った。

　同採点の『RACEFANS』は、「F１で３シーズン目を戦うドライバーにしては、どこから見てもオーストリアでの角田のパフォーマンスは、ルーキーのそれに見えた。 スプリントの予選（シュートアウト）ではトラックリミットの犠牲となり、決勝ではターン１への飛び込みがあまりにも貪欲すぎ、その代償を払うことに。もっとも、アルファタウリは遅い車のひとつであり、この週末でまともな結果を残すチャンスは、彼には与えられなかった」と、酷評と同情の両方を示している。