バレーボール

「歴史を刻んだ」日本、46年ぶりの銅メダルに、敗れた伊の元代表エースも歓喜!「大好きなチームが国際舞台に戻ってきた」【男子バレーVNL】

佳子S.バディアーリ

2023.07.24

3位を決め喜ぶ日本代表の面々。石川と山本が歓喜の抱擁を見せる。写真:Newspix.pl/アフロ

 現地7月23日、ポーランド・グダニスクで国際バレーボール連盟(FIVB)が主催する『ネーションズリーグ(VNL)』の男子3位決定戦が行なわれた。世界ランク6位の日本代表は、同3位のイタリア代表と対戦。セットカウント3-2(25-18、25-23、17-25、17-25、15-9)でフルセットの激闘を制して銅メダルを獲得し、世界レベルの舞台で46年ぶりの表彰台に上がる快挙を達成した。

【画像】ネーションズリーグ日本代表のキャプテン・石川祐希を特集!
 日本代表は、4強入りを果たして臨んだ前日の準決勝ポーランド戦で、劣勢を覆して世界1位から1セットを先行する有利な展開に持ち込んだが、惜しくも決勝進出はならず。メダル獲得のチャンスが残る3位決定戦に満を持して臨んだ。

 相手は予選ラウンドで10連勝中の日本に初黒星をつけたイタリアだ。VNLでは、2018年の初開催から一度もメダルに届いておらず、最高成績は3位決定戦でポーランドに敗れた前回大会の4位。だが、その1か月後に開幕した世界選手権で24年ぶり4回目の優勝を果たしており、ポテンシャルの高さはお墨付きだ。一方で、若い選手が多くメンタル面では懸念もある。米国に完敗した準決勝の後、チームは意気消沈を隠せない様子だった。

 決勝進出を逃した両チーム。どちらが切り替えてコートに立てるかが、メダルの行方を左右する戦いとなった。

 日本は、アウトサイドヒッターが主将・石川祐希、高橋藍、ミドルブロッカーは小野寺太志、山内晶大、オポジットに宮浦健人、セッター関田誠大とリベロ山本智大を先発に起用。なお、準決勝のウォームアップ中に、腰に痛みが出たOP西田有志は準決勝に引き続きベンチ外、代わってMBエバデダン・ラリーがメンバー入りした。

 第1セット、日本のバリエーションを駆使したサーブ戦略が的中する。まずは序盤、関田のサーブで相手のレセプションが乱れたところを石川がダイレクト弾。さらにラリーへ持ち込み、サイドアウトを急いだ相手のミスを誘うなどして5連続ブレークに成功する。その後、アタックと守備のつなぎで失点するも、宮浦が強烈な打球で中盤に2連続エース。リードを7点とする。イタリアもサーブとミドル勢の活躍で点差を詰めるが、終盤に今度は石川がサーブで揺さぶり追撃を阻止。宮浦が再び2連続エースを決めて、セットを先取した。

 第2セットは、戦況が一転する。序盤に宮浦と1セット目の終盤から途中出場のOH大塚達宣が続けて被ブロック。石川のライト攻撃も誤打となり、3点のビハインドを負う。細かく得点を重ね後半に18-18とするが、石川と高橋にアタックのミスが出るなど3点差に逆戻り。だが、石川と宮浦のサーブを起点に再度、終盤に追い上げる。相手の攻撃ミスでセットポイントを握り、石川がライトからレフトへ回り込んでバックアタック。大逆転でセットを連取した。
 
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