格闘技・プロレス

「逃げるフルトン、追う井上尚弥」の構図か!? 日本ボクシング界の最高傑作は“難攻不落”の王者を倒し切れるのか

橋本宗洋

2023.07.25

スーパーバンタム級に階級を上げて、いきなり王座に挑戦する井上。世界が注目する一戦となる。(C) Getty Images

 7月25日、井上尚弥がまたも"歴史的一戦"に臨む。

 日本が生んだ最高のボクサーといって間違いのない井上がバンタム級で世界4団体統一を果たしたのは、昨年12月13日のことだ。

 それから半年あまりで、今度はスーパー・バンタム級のベルトを狙う。

「バンタム級ではやり残したことがなく、闘いたい相手もいない」

 そう言って4本のベルトを返上、階級を上げたのである。そして、階級を上げていきなりの世界挑戦。WBCとWBOのチャンピオンであるスティーブン・フルトンに挑む。舞台は7月25日、有明アリーナ。井上が勝てばライトフライ級、スーパーフライ級、バンタム級に続き世界4階級制覇となる。

【動画】バトラーをマットに沈め、井上尚弥がバンタム級4団体統一!

 その経歴は、ひたすら輝かしい。24戦して24勝、KOは21。軽量級はKOが少なく迫力に欠けると言われがちだが、井上に関しては当てはまらない。圧倒的なパンチングパワーが井上の真骨頂だ。

 ボクシング界にはさまざまな王座認定団体があり、同じ階級に何人もチャンピオンがいる。しかし井上は、バンタム級において主要4団体すべてのベルトを巻くという偉業を達成した。アジアでは初、世界でも史上9人目のことだ。

 王座統一までには対戦相手がなかなか決まらないという状況もあったが、井上は各団体のチャンピオンを1人ずつ撃破。アジアを代表する名選手であるノニト・ドネアさえKOしている。「やることがない」という言葉にも納得するしかない。
 
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