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「この日のために頑張った」池江璃花子が気迫の猛追で50mバタフライ決勝進出!悲願のメダル奪取のカギは無欲!?「期待しないで」【世界水泳】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2023.07.29

池江(左)は50mバタフライで決勝進出。親友のショーストロム(右)と頂上決戦だ。(C)Getty Images

池江(左)は50mバタフライで決勝進出。親友のショーストロム(右)と頂上決戦だ。(C)Getty Images

 日本の天才スイマーが大舞台に帰ってきた。

 福岡県のマリンメッセ福岡で開催されている水泳の世界一決定戦「世界水泳」は競泳6日目を迎え、熱戦も残すところわずかとなった。28日は女子50メートルバタフライ準決勝が行なわれ、池江璃花子が25秒72で全体5位通過を果たし、29日の決勝に駒を進めた。

 準決勝2組目の5レーンに「ジャパン、リカコ・イケエ」とコールされると、この日一番の声援が23歳に送られた。4レーンには親交のあるサラ・ショーストロム(スウェーデン)と対面。朝の予選でも同組だった世界記録保持者とファイナル進出を懸け、緊張のスタートを迎えた。

 笛が鳴り、他の選手がスタート台に上がるなか、池江はギリギリまで集中力を高め、一番最後にスタート台に立った。

 静寂に包まれる会場。25秒前後で決まるスプリント戦に、池江は勢い良くスタートを決め、トップを泳ぐショーストロムを追泳。25メートル過ぎにギアを上げると、ぐんぐん加速し、接戦となったゴール前を池江は懸命に手を伸ばし、2番手でタッチ。「アップから練習していた」と話したタッチ勝負が、最後の最後で明暗を分けた形となった。

 1位でゴールしたショーストロムと健闘を称えると、池江は笑顔を浮かべた。そして、電光掲示板のタイムの横に通過の「Q」が表示されると、会場は大喝采。ライバルも拍手を送り、親友とみたび戦えることを喜んでいるかのようだった。
 
 決勝進出を決めた池江は安堵し、「歓声が心地良かった」と声援に感謝した。「本当にこの日のために頑張ってきた。ここで残らなかったら、世界に戻ってきたことを証明できないと思っていた。素直に嬉しい」と声が弾んだ。当然メダルへの期待は高まるなか、23歳は無欲を強調する。「まったくないです。期待しないで下さい」と笑った。

 世界水泳で個人種目での決勝は、白血病になる前に出場した2017年のブダペスト大会(ハンガリー)以来、6年ぶり。4月の日本選手権で代表切符を掴み取ったときには「強い池江が戻ってきたことを証明したい」と宣言した。母国開催の大舞台で、「リカコ・イケエ」の名を世界にアピールする機会が、ついにやって来た。今大会、競泳ニッポン3人目のメダリスト誕生なるのか。決戦は20時2分にスタートする。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

【動画】池江璃花子が全体5位で決勝進出!女子50mバタフライをチェック

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