7月30日に幕を閉じた水泳の世界一決定戦「世界水泳」。22年ぶりの福岡開催だった今大会は世界記録が10個も誕生。水の超人たちのハイパフォーマンスに、マリンメッセ福岡は連日興奮に包まれた。

　なかでも、世界記録保持者サラ・ショーストロム（スウェーデン）の泳ぎに会場は驚愕した。競泳7日目、女子50メートルバタフライ決勝を24秒77で優勝。今大会初の金メダルを獲得すると、さらにその19分後、今度は女子50メートル自由形の準決勝に出場。なんと世界新記録の23秒61を叩き出したのだ。異次元のスピードに会場は騒然とし、快挙を成し遂げたショーストロムに大きな拍手が送られた。だが、伝説はこれだけで終わらなかった。

　翌日、大会最終日となった同種目の決勝でもショーストロムは圧巻の泳ぎを披露。23秒62で制し、今大会2種目でゴールドメダルを獲得した。しかも、世界水泳での個人種目メダル数が21個に到達し、「水の怪物」と称されたマイケル・フェルプス（アメリカ）の記録を抜く新記録までついた。初出場は2009年のローマ大会（イタリア）。当時16歳の少女は、今も世界のトップスイマーとして第一線で活躍を続けている。
  　この大偉業を当然、各国メディアも無視していない。トルコのニュースメディア『Haberimparatoru』のエムレ・デミリュレク氏は、現場で彼女の快泳を目撃すると「怪物を超えた！」と興奮を隠せず、「サラ・ショーストロムが世界水泳で史上初のメダル記録を更新した」と銘打ち報じた。

　前回大会まで彼女が19個のメダルを所持していたことを説明したうえで、「なんてことだ！ショーストロムが50メートルバタフライと自由形を制した。世界水泳でのメダル数を21個に増やし、米国のマイケル・フェルプスの記録を打ち破った」と偉大な記録を称えた。

　加えて、「金＝12個、銀＝6個、銅＝3個を獲得したが、2011 年以降だけで彼女は金、銀メダルは5個を獲得した」と付け足し、「歴史的な日だ！素晴らしい新記録だ」と賛辞を送っている。

　ショーストロムは日本の池江璃花子とも親交があり、お互いを親友とも呼び合うほど、良きライバルとして切磋琢磨している。そんな親友の母国で達成した記録は水泳界の歴史上、大きな金字塔として刻まれた。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】池江璃花子が6年ぶりの大舞台へ！金メダルはショーストロム

【関連記事】「突っ走りました！」８日間13レースを力泳！池江璃花子が感謝を綴ったインスタに同い年の日本代表が反応「振り向かず前へ」【世界水泳】

【関連記事】「この日のために頑張った」池江璃花子が気迫の猛追で50mバタフライ決勝進出！悲願のメダル奪取のカギは無欲!?「期待しないで」【世界水泳】