ラグビー

「ファンの人からは色々と言われるかもしれないけど」ラグビー日本代表、国内5連戦で1勝4敗も…W杯本番へ勝算は高まるか

向風見也

2023.08.06

フィジー戦に臨んだ日本代表は12-35で敗戦。W杯前の国内最終戦を勝利で飾れなかった。写真:松尾/アフロスポーツ

 想定外と想定内が入り混じった。

 ワールドカップ・フランス大会開幕を今年9月に控えたラグビー日本代表は、7月上旬からの国内5連戦でチームの完成度を問われた。しかし、1勝4敗と負け越しに終わったこの連戦は、内容的な評価がやや難しい。

【動画】日本vsフィジー戦ハイライト
 想定外の出来事のためだ。

 8月5日の東京・秩父宮ラグビー場。シリーズ最終戦となったフィジー代表戦の前半7分にフランカーのピーター・ラブスカフニがレッドカードで退場した。相手の頭部への危険なタックルを放ったからだ。
 

 フィジー代表は、身体能力が際立つ。短い手数でトライを獲れる。さらに最近では、国際リーグのスーパーラグビーへフィジアン・ドゥルアを派遣し底力をつけている。

 日本代表としては、強い相手に数的不利を強いられたことで苦戦が避けられなくなった。これではもともと目指していた戦いができたかどうか、できたとしてどうだったかという確認はややしづらくなる。評価が難しいのはそれゆえだ。結局、試合は12-35と敗れた。

 7月15日のサモア代表戦でも、精神的支柱のリーチ マイケルが前半30分に一発退場。敵の首から上へヒットし、試合も22-24で惜敗していた。

 少なくとも、前回準優勝のイングランド代表などと戦うワールドカップ本番では、レッドカードなどもらいたくない。判定のトレンドを再確認してタックルの質、高さを微修正するのは急務か。

 しかし、フィジー代表戦で後半から出場の堀江翔太は前向きに言う。

「ボールの下へ(タックルに)入るというの(練習)はやってるんですけどね。リーチもラピースも、顔面を狙ってタックルしようなんて思ってない。まぁ、アンラッキーかなと」

 ワールドカップに過去3回出場の37歳。成功を収めるのに、産みの苦しみがあるのをどこか想定内とする節があった。

 この夏、全5試合で二桁のハンドリングエラーを記録した。フィジー代表戦でも「15」。人が見つけやすい問題点とあって、試合後の取材エリアでも課題に挙がりがちだ。それに堀江は、本質的な解を示したのだ。

「個人のミスと、戦術戦略を全然わかってなくて信じないでやるミスだったら、後者の方がフィックス(修正)しにくいんです」
 
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「理解力のできてない方のミスはどうしようもできないが…」