現在はサマーブレイクに突入している2023年F１世界選手権。全22戦中の12戦を終えた時点での中断期間ということで、各国メディアには「前半戦」の総括を行なっているところも少なくない。
  　その中で、チャンピオン争いやベストドライバーではなく、逆に下位に注目したのがドイツのモータースポーツ専門メディア『MOTORSPORT MAGAZINE』であり、「最悪のドライバーは誰？」と題した記事において、独自の評価基準によるここまでの「ワースト５」を、以下のように発表している。

１位：ニック・デ・フリース（アルファタウリ）
２位：セルジオ・ペレス（レッドブル）
３位：ランス・ストロール（アストンマーティン）
４位：ローガン・サージェント（ウィリアムズ）
５位：ケビン・マグヌッセン（ハース）

　ここまで獲得ポイントなしのデ・フリース、サージェント、２止まりのマグヌッセンがランクインする中で、チャンピオンシップランキング２位のペレス、同ランキング９位で所属チームもコンストラクターズランキングで３位につけているストロールが、この不名誉な５人に名を連ねているのが印象的だが、総じてチームメイトに大きな差をつけられているという共通点がある。

　ちなみに、デ・フリースを完全に打ち負かした角田裕毅は、同メディアによるポイントランキングでは実際のチャンピオンシップのそれ（17位）を上回る13位。昨季は最下位ニコラス・ラティフィ（当時ウィリアムズ）に次いでのワースト２位という順位で、今季は大きく改善されたと言えよう。

　実際、同メディアはこの日本人ドライバーにも言及し、「昨季、角田は全ての（同メディアによる）ランキングでブービーに終わったが、2023 年は状況が大きく変わっている。彼はデ・フリースを仕留めただけでなく、シーズン序盤は何度もポイント争いに参加したことで、何週間にもわたって我がランキングのトップ10に留まり、時にはトップ５にさえ入った」と綴った後、以下のように続けている。

「しかし、スペインGPではレース終盤にポイント獲得のチャンスを失ってリズムを崩し、その後の４レースで精彩を欠いた結果、ランキングでトップ10圏外に戻ってしまった。彼に、この順位以上の価値があるだろうかが疑問視されたが、新たな同僚ダニエル・リカルドからのプレッシャーを受けながらも、彼はスパでの力強いレースで反撃に転じ、これまでのシーズン最高の結果を残した。彼は今後も、そのレベルを維持できるだろうか？」