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角田裕毅が「オーバーテイク回数記録」で上位ランクイン! 最多ペレスを母国紙が絶賛するも蘭メディアは後方スタートの多さを指摘…

THE DIGEST編集部

2023.08.09

ベルギーGP決勝のスタートの模様。抜きつ抜かれつの目まぐるしいバトルが展開される。(C) Getty Images

 F1は約1か月間のサマーブレイクに入っており、各国メディアは2023年シーズン前半戦を様々な形で振り返りながら、各ドライバーを評価している。

 メキシコの日刊紙『RECORD』は、今季ここまでの「オーバーテイク回数ランキング」に注目。レース最大の醍醐味であるバトルの末にライバルをパスした回数が最も多いドライバーが誰であるかを紹介した。

 結論を言えば、栄えあるトップは同国のドライバーであるセルジオ・ペレス(レッドブル)で、ここまで59回も追い抜きを披露している。この数値は、2位につけてメルセデスのジョージ・ラッセルの36回を大きく引き離しており、ある意味最も多くの見せ場を作ったドライバーのひとりと言えるかもしれない。

 ちなみに彼は、月毎に印象的なオーバーテイクを見せたドライバーに贈られる「月間最優秀オーバーテイク賞」の7月の受賞者である(今季の受賞者は、3、4、6月がアストンマーティンのフェルナンド・アロンソで、5月がハースのケビン・マグヌッセン)。
 
 同メディアは、「チェコ・ペレスが、驚異的なオーバーテイクの回数を記録。グアダラハラ出身のドライバーは、レースでその技術とスキルを示した。他の著名なドライバーに対して顕著な違いを見せつけ、このカテゴリーでリードしている。この数字は、チェコがコース上で主導的な役割を果たしていることを再確認させる。その積極性とスキルは他を上回り、彼が順位を上げていく上での鍵となっている」と、母国ドライバーに賛辞を贈っている。

 続けて、「このオーバーテイクの多さは、壮観な印象を見る者に与えただけでなく、チェコの貴重なポイントの蓄積にも影響を与えた。現在、彼は合計189ポイントを獲得してドライバーズチャンピオンシップで2位につけている」とも綴ったが、「チームメイトのマックス・フェルスタッペンは314ポイントを獲得しており、その差は大きい」とも付け加えた。

 今季10勝と圧倒的な強さを見せつけて独走するフェルスタッペンの現時点でのオーバーテイク回数は27回で、ペレスに比べればかなり少ないが、ほとんどのレースのほとんどの時間帯でトップを走る絶対王者には、そもそもオーバーテイクの機会自体が少なく、数少ないポールポジションを逃した後のレースやタイヤ交換後に一時的に順位を落とした後に迎えた"チャンス"では、ほぼ100%これをモノにしている。

 対して、ペレスは今季たびたび予選でミスを犯してQ1、Q2で敗退することがあり、後方のグリッドからのレーススタートを余儀なくされてきた。フェルスタッペン仕様で乗りづらさがあるとはいえ、他を上回るチャンピオンカーを駆りながらの失態が、彼の去就に対してネガティブな憶測を生み出す原因ともなっているのは間違いない。
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16回のオーバーテイクは全てが印象的と言っても過言ではない