8月15日、都内ホテルの会場は緊張感に満ちた。
9月8日からのワールドカップ(W杯)フランス大会に向け、ラグビー日本代表のメンバー発表会見が始まるところだった。
開始予定時刻の10時が過ぎても、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチらは登壇しなかった。最終調整が長引いたためだ。
結局、アナウンスされたのは33名中30名。残る3名はアマト・ファカタヴァらロック勢の怪我の状態などを見て、登録締め切りの21日までに決めるようだ。
選手は今度のメンバーについて、件のフィジー代表戦後の全体ミーティングで知らされた模様だ。その場には当選者、落選者が入り混じっていた。
主将でナンバーエイトの姫野和樹は、特定の選手名を挙げずにその日の心境を述べた。
「最高峰のワールドカップを目指し、たくさんの犠牲を払ってきて、落選する選手がいる。そんななか素直には喜べなかったですし、もちろん拍手もないです。落選した選手と僕らは、同じ分だけ努力して、同じ分だけ涙して、仲間であり家族のような存在なので…。本当に、タフな時間でした」
これで大会に挑む陣容のほとんどが固まった。本番ではまず10日のチリ代表戦、17日のイングランド代表戦、28日のサモア代表戦、10月6日のアルゼンチン代表戦と、予選プール計4戦に挑む。
1、3戦目を拠点のトゥールーズで、2、4戦目はそれぞれニース、ナントであり、前回準優勝のイングランド代表、南半球4強の一角であるアルゼンチン代表がひと際、難敵に映る。
さらにサモア代表には、7月22日に札幌で22-24と敗れている。当時が強化の途中段階にあったのを踏まえても、対強豪国という観点で課題が見られたのは確かだ。これからの日本代表はどう問題点を設定し、どう本番で勝つのだろうか。
副将でスクラムハーフの流大はまず、「ミスを減らさないといけない」。サモア代表戦を含む夏の全5試合では、ハンドリングエラーが2桁にのぼった。
高温多湿のスタジアムで相手も同じようにミスを重ねたことがほとんどだったとは言え、日本代表のファンがたくさんのため息を漏らしたのは事実だ。
日本代表はトニー・ブラウンアシスタントコーチのもと、選手が左右に散って球を回すスタイルを提唱。対戦カードによってキックとパスのバランスを微修正するとはいえ、相手の圧力下でも果敢にスペースへ挑むのを原則とする。
いわば日本代表は、ミスの起こるリスクと背中合わせで戦っているわけだ。エラー撲滅について、流はこうも言う。
「発言が矛盾しちゃうのですが…。ミスは減らさないといけないけど、ミスは恐れない。そのマインドをやっていかないといけない」
プレースタイルを機能させたとしても、流の言葉を借りれば日本代表は「ぎりぎりのところで、15人で戦っている」。上位国の体格や身体能力を鑑みれば、相手を自分たちの土俵に引きずり込んでかつ、わずかな隙も与えたくないところだ。
9月8日からのワールドカップ(W杯)フランス大会に向け、ラグビー日本代表のメンバー発表会見が始まるところだった。
開始予定時刻の10時が過ぎても、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチらは登壇しなかった。最終調整が長引いたためだ。
結局、アナウンスされたのは33名中30名。残る3名はアマト・ファカタヴァらロック勢の怪我の状態などを見て、登録締め切りの21日までに決めるようだ。
選手は今度のメンバーについて、件のフィジー代表戦後の全体ミーティングで知らされた模様だ。その場には当選者、落選者が入り混じっていた。
主将でナンバーエイトの姫野和樹は、特定の選手名を挙げずにその日の心境を述べた。
「最高峰のワールドカップを目指し、たくさんの犠牲を払ってきて、落選する選手がいる。そんななか素直には喜べなかったですし、もちろん拍手もないです。落選した選手と僕らは、同じ分だけ努力して、同じ分だけ涙して、仲間であり家族のような存在なので…。本当に、タフな時間でした」
これで大会に挑む陣容のほとんどが固まった。本番ではまず10日のチリ代表戦、17日のイングランド代表戦、28日のサモア代表戦、10月6日のアルゼンチン代表戦と、予選プール計4戦に挑む。
1、3戦目を拠点のトゥールーズで、2、4戦目はそれぞれニース、ナントであり、前回準優勝のイングランド代表、南半球4強の一角であるアルゼンチン代表がひと際、難敵に映る。
さらにサモア代表には、7月22日に札幌で22-24と敗れている。当時が強化の途中段階にあったのを踏まえても、対強豪国という観点で課題が見られたのは確かだ。これからの日本代表はどう問題点を設定し、どう本番で勝つのだろうか。
副将でスクラムハーフの流大はまず、「ミスを減らさないといけない」。サモア代表戦を含む夏の全5試合では、ハンドリングエラーが2桁にのぼった。
高温多湿のスタジアムで相手も同じようにミスを重ねたことがほとんどだったとは言え、日本代表のファンがたくさんのため息を漏らしたのは事実だ。
日本代表はトニー・ブラウンアシスタントコーチのもと、選手が左右に散って球を回すスタイルを提唱。対戦カードによってキックとパスのバランスを微修正するとはいえ、相手の圧力下でも果敢にスペースへ挑むのを原則とする。
いわば日本代表は、ミスの起こるリスクと背中合わせで戦っているわけだ。エラー撲滅について、流はこうも言う。
「発言が矛盾しちゃうのですが…。ミスは減らさないといけないけど、ミスは恐れない。そのマインドをやっていかないといけない」
プレースタイルを機能させたとしても、流の言葉を借りれば日本代表は「ぎりぎりのところで、15人で戦っている」。上位国の体格や身体能力を鑑みれば、相手を自分たちの土俵に引きずり込んでかつ、わずかな隙も与えたくないところだ。