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ラグビー

2、4戦目の難敵にどう挑む? 鍵を握る主将の英語力と日本語堪能なムードメーカー。ラグビーW杯へ日本代表メンバーが発表!

向風見也

2023.08.16

 ここで気になるのは、レフリングへの対応だ。

 ラグビーでは原則として、試合中にレフリーと話す権限は主将もしくはゲーム主将のみに与えられる。

 日本大会まで2度のW杯で主将を務めたリーチ マイケルが「レフリーとのコミュニケーションが取れた」「(今後の)日本代表の主将は、英語がわからないと苦労します」と総括したのは、15年のイングランド大会でのことだ。折しも、日本代表は歴史的3勝を挙げた。
 
 なかでも、過去優勝2回の南アフリカ代表との初戦へは念入りに準備した。何せ担当レフリーを国内の事前合宿に招き、直接のヒアリングができたのだ。

 今回のチームがそれほど極端な策を打ってはいないなか、姫野は今季から代表主将を務める。姫野主将は7月の対外試合でじゃゲーム主将を3度、経験。「自分の英語がつたないので不安はあります」としつつ、国内の試合にはない「やりやすさ」もあると前を向く。

「海外でやってきた経験(ニュージーランドのハイランダーズに在籍歴あり)もあるので、海外レフリーともある程度のコミュニケーションは取れる。ジェイミー(・ジョセフヘッドコーチ)にもなるべく通訳をつけずに話して欲しいと言われ、試合前(のミーティングなど)では自分の言葉でコミュニケーションを取ってきました。海外のレフリーの方は(選手の意見を)聞いてくれて、レフリングに還元してくれる。やりやすさはあります」

 判定と言えば、最近は危険なタックルへのジャッジが厳格化。日本代表も今夏、その件で2枚のレッドカードをもらっている。姫野は続けた。

「(タックルの高さを注意するなど)技術的な部分で改善できる。レッドカードが出てしまったらどういうことが起きるかを(大会前に)経験できたのは大きい」

 スタイルを明示する分、検討課題も明確な日本代表において、リーチは「皆でお酒飲む時間、カラオケ、お笑い、ハードワーク。この4つをバランスよくできれば、皆、いい状態で試合ができる」。プレーの精度を無形の力で支えるには、選手間の普段からの交流も無視できない。

 その意味では、グラウンド内はもちろんグラウンド外でのキーマン候補は要注目か。

 筆頭格は、15歳でニュージーランドから来日のリーチ。今夏出場がなかったなか選出されたロマノ レメキ ラヴァも、日本語が堪能なムードメーカーとしてチームに絆をもたらすか。

 日本代表は多国籍からなる集団。ラグビーのスタイルはもちろん、人の集まり方にもオリジナリティがにじむ。姫野は宣言する。

「ラグビーを国技にしたいという夢がある。それを叶えるために、この舞台(W杯)で活躍するのが大事です」

取材・文●向風見也


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