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バレーボール

チュニジア戦で日本に変化!? “悪夢のフルセット”から脱却した選手の表情に海外記者が着目「足を滑らせ転倒した日本が立ち上がった」【男子バレー】

佳子S.バディアーリ

2023.10.04

チュニジア戦ではストレート勝利を収めた日本代表。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

チュニジア戦ではストレート勝利を収めた日本代表。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 軽快にコートを舞う龍神NIPPONのバレーボールが帰ってきた。

 国立代々木競技場 第一体育館で開催中の『FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023』男子大会の第3戦が10月3日に行なわれた。世界ランク5位の日本代表は、同18位(※開幕時点)のチュニジア代表にセットカウント3‐0(25-14、25-16、25-15)で快勝し、2試合続いた悪夢のフルセットマッチから脱却した。

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 昨年に足跡を残した国際舞台で、今年はより華やかに躍動した日本代表。ネーションズリーグで3位入賞を果たして、世界レベルの大会ではおよそ半世紀ぶりにメダルを獲得し、3年間遠ざかっていたアジア制覇も果たした。そして、パリ五輪予選は自国開催。完璧な舞台が整ったかに見えたが、開幕と同時に直面したのは不測の事態だった。

 初戦から2試合で、勝利に王手をかけながら5セットマッチへ持ち込まれた。同22位フィンランドとの初戦は、最終局面の5連続得点で辛勝し、なんとか勝点2を獲得。しかし、2戦目はパリ五輪出場へ向け大陸枠で切符獲得を狙う同20位エジプトに、振り切られて痛恨の黒星を喫した。

 難しい状況下で迎えたチュニジア戦を中継した国際バレーボール連盟(FIVB)の配信サービス『Volleyball TV』の解説者は、日本が開始から着実にリードを広げると、「ここまでは期待どおりの展開。自信が沸く心地よい勝利が必要なんだ」と選手たちの心情を代弁。エジプト戦も担当した同解説者は、セット先取後の第2セットを、「納得のパフォーマンス」と讃えると同時に、「今までの2戦は先行時に笑ったりおどけたりが多く、良い意味でリラックスしていたのかもしれないが、今日はかなり厳粛な面持ち。気持ちを引き締めて試合に臨んでいるのが分かる。これも必要なこと」とコート上の変化に触れた。

 鬼門の第3セット、開始前には、「このセットで勝負を決めなければいけない。相手の反転攻勢からフルセット突入を繰り返すのはもう終わり。可能性を残さないためだ」とコメントしていたが、その心配は杞憂に終わった。丁寧さを意識しつつ軽快な攻守で戦い切り、ストレート勝利で大会後半へ向けて仕切り直した。
 
 エジプト戦の黒星を、「最大のサプライズ」と伝えたイタリアの総合スポーツメディア『OAsport』は、チュニジアを完勝で退けた戦いぶりを、「足を滑らせ転倒した日本が立ち上がった」と伝えている。

 選手とスタッフの安堵はもちろん、会場やテレビの前で試合を見守った人たちも胸をなでおろしたことだろう。だが、厳しい戦いはまだまだ続く。主将・石川祐希の発言どおり、今大会でパリ五輪出場を決めるチャンスをつなぎとめるには、「勝つしかない」のだから。

 龍神NIPPONの運命を握る戦いは、今夜に行なわれる世界ランク12位トルコ戦からスタート。そして、中1日で9位セルビア、8位スロベニア、2位米国との過酷な3連戦に挑む。

文●佳子S.バディアーリ

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